モバイルアプリ分析のSensor Towerは4月9日、世界のIPゲーム市場を分析した「2026年世界のIPゲーム市場インサイト」レポートを公開しました。同レポートでは、市場が成熟期に入り「量で勝負」から「質による効率化」へと構造転換が進んでいる実態が浮き彫りになっています。

収益横ばいの中、ユーザー単価は上昇

レポートによると、2025年の世界のライセンスIPモバイルゲームにおけるアプリ内課金(IAP)収益は184億ドルで、2022~2023年とほぼ同水準にとどまりました。一方で、ダウンロード数が減少傾向にあるにもかかわらず、1ダウンロードあたりの平均収益は前年比12%増と逆行して伸びています。新規ユーザーの獲得規模に頼る成長モデルから、既存ユーザーの課金深度を高める運営モデルへの移行が進んでいることを示す数字です。

米国が日本を抜き世界最大のIPモバイルゲーム市場に

地域別では、米国市場のIAP収益が2024年に前年比14%増の53億ドルとなり、日本を抜いて世界最大のIPモバイルゲーム市場に浮上しました。2025年には収益シェアがさらに26%まで拡大しています。日本市場は1ダウンロードあたりの収益こそ依然として高水準を維持するものの、ダウンロード数の減少と過去5年間の対ドル円安が重なり、ドル換算での収益は減少傾向にあります。

Tencentが収益トップを堅持、ガンダムIPは前年比約10倍の急成長

IPの親会社別収益ランキングでは、Tencent、Hasbro、Nintendoがトップ3を維持しました。Tencentは『王者栄耀(Honor of Kings)』や『リーグ・オブ・レジェンド』などの主力タイトルが牽引し、首位の座を守っています。

IPタイプ別では、収益全体の半分以上をビデオゲーム発のオリジナルIPが占めました。アニメ・マンガIPは全体の14%で、ドラゴンボールZ、ウマ娘、ガンダムの3タイトルがその約半数を占めています。なかでもガンダムIPは『SDガンダム ジージェネレーション エターナル』のヒットを受け、直近1年間の収益が前年比約10倍に急増しました。

『王者栄耀』が収益トップに返り咲き、Nexonも急伸

タイトル別では、Tencentの『王者栄耀』が直近12カ月間の収益で20億ドル超(中国iOS)を記録し、世界のIPモバイルゲーム収益ランキングの首位に返り咲きました。リリースから10年を経て累計収益は170億ドルに迫り、世界で最も累計収益の高いIPモバイルゲームとなっています。

パブリッシャー別では、Nexonが『MapleStory : Idle RPG』や『マビノギモバイル』など複数タイトルの好調を背景に、直近1年間のIPモバイルゲーム収益を前年比約200%伸ばし、収益ランキング7位に浮上しました。これにより、韓国モバイルゲームパブリッシャーの収益ランキングでも老舗のNCSOFTを抜きトップに立っています。

PC・コンソール領域ではNetEaseの『マーベル・ライバルズ』が席巻

PC・コンソール領域では、2025年のSteam・PlayStation・Xboxにおける世界のIPゲーム総ダウンロード数が3億2,000万を突破しました。プラットフォーム別ではPlayStationが約1億5,000万で首位、Xboxが約1億1,000万、Steamが約6,650万と続いています。

タイトル別では、NetEaseが2024年12月にリリースしたマーベルIPのチーム対戦シューター『マーベル・ライバルズ』が、2025年のダウンロード数で約2,200万(うちSteamが45%)を記録し、同年の世界ダウンロード数トップのPC・コンソールIPゲームとなりました。

なお、SteamにおけるIPゲームの総収益は、2023年に『Baldur’s Gate 3』の大ヒットで過去最高を記録した後は減少に転じ、2025年は12億7,000万ドルとなっています。

新規IPでは『カオスゼロナイトメア』が存在感

完全新作IPとしては、Smilegate Holdingsが2025年10月にリリースしたローグライクカードゲーム『カオスゼロナイトメア』が、リリースから約5カ月で世界収益5,000万ドル近くを達成しました。直近半年間で世界収益が最も高い完全新作オリジナルIPモバイルゲームとなり、Sensor Tower APAC Awards 2025の「ベストニューACGゲーム」も受賞しています。収益の内訳は日本が31%、米国が26%を占めました。

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