ゲーム仲間たちと、新たな攻略パターン作りに励んだ日々
今となってはハッキリ覚えていないが、筆者がファミコン版「魔界村」が発売されることを最初に知ったのは、ファミコン専門誌「ファミコン必勝本」か「ファミコン通信」のいずれかに掲載された記事だったと記憶している。
あまりの難しさゆえに、ゲーセンでは1周クリアできずに途中でサジを投げていたが、ゲーム自体は大好きだったので、ソフトを買えば毎回100円を払わずに遊べるとあって、ファミコン版も「遊んでみたい!」とすぐに興味を持った。筆者は当時、本作を買う小遣いは持っていなかったが、幸運にも発売直後に購入した友人がいたので、すぐさま友人宅に出掛けて遊ばせてもらった。
ファミコン版はアーケード版に比べ、アーサーも敵のモンスターも全体的にサイズが小さめで、アーサーの武器や敵弾のスピードが遅い印象を受けた。だが、背景には墓場や廃墟が描かれ、ゾンビやグリーンモンスターなどの敵が次々と出現する、まるでホラー映画のような不気味さは、まさに「魔界村」そのものだった。
アーサーの初期装備は槍で、壺を持った敵を倒すと、時折たいまつ、短剣、斧などの武器が出現し、中でも飛ぶスピードが速くて連射効率に優れる短剣が最も使いやすいのもアーケード版と同じだった。


アーケード版と同様に、ゾンビをはじめ不気味なモンスターたちが次々と出現する
筆者も友人たちも、しばらくの間ステージ1すらなかなかクリアできない難しさも相変わらずだったが、ファミコン版もすぐに気に入り、みんなでしばし時間を忘れて夢中になって遊び続けた。
最初に困ったのは、ステージ1の前半に出現する強敵、レッドアリーマーの倒し方だった。レッドアリーマーの行動パターンがアーケード版とはかなり異なるため、以前にやっとの思いで覚えた攻略法がまるで通じず、しばし頭を悩ますことになった。みんなで知恵を出し合った結果、やがてアーケード版とは全然違うアプローチで、ジャンプ攻撃を多用して倒すパターンにたどり着いたと記憶している。
【ファミコン版でも強敵! レッドアリーマー】

口から弾を吐きつつ、高速で空中を飛び回る強さはファミコン版でも健在だった
しばらく遊んでいるうちに、友人のひとりがステージ1の前半に隠された壺を偶然発見した。アーサーが特定の地点を通過すると、得点アイテムの「弥七」や鎧が入った壺が出現することはアーケード版から知っていたが、その出現位置も中身も全然違っていたので驚かされた。
その中身とは、取ると1万点の高得点が入る「キング(王様)」であった。キングは、アーケード版では壺を持った敵を倒すと、ごくまれに出現するアイテムであったが、ファミコン版の壺に入ったキングは、一度ミスをした後も繰り返し取れることにもすぐさま気が付いた。本作は得点が2万点を超えるとエクステンド(1UP)することもあり、キングの存在が実にありがたかったことを今でもよく覚えている。
【ファミコン版オリジナルの壺】

ファミコン版で新たに追加された、ステージ1に隠された壺から出現する1万点のキング
同じくアーケード版とは出現位置が異なるものの、「弥七」や鎧が隠された壺も、筆者と友人たちは相次いで発見することに成功。さらにステージ2の序盤で、こちらもファミコン版オリジナルの1UPアイテムを発見できたことで、ますます本作に熱中するようになった。
ステージ1の鎧が隠された壺は、アーケード版よりもやや遠方に配置されている
アーケード版からおなじみの弥七は、取ると5千点のボーナスとなる
ステージ2の壺から出現する1UPアイテム。こちらもミスした後でも繰り返し取ることが可能だ裏技のおかげで攻略パターンが劇的に進化
キングや1UPアイテムを発見した後も、筆者も友人たちも序盤のステージで悪戦苦闘する日々が続いたが、その状況を大きく好転するきっかけとなったのが、ある日目にしたファミコン雑誌に掲載された裏技であった。
その裏技とは、ゲームオーバーになったステージの途中から(※一部のステージではスタート地点から)何度でもやり直せる、コンティニューの隠しコマンド。操作が簡単で覚えやすかったこともあり、コマンドを知った後は友人たちと毎回コンティニューしながら、1プレイ交代でどこまで先に進めるかにチャレンジするのが定番の遊び方になった。
【コンティニュー】


ゲームオーバー後、タイトル画面でコマンドを入力するとコンティニューできると初めて知ったときは本当に嬉しかった
学校が夏休みに入ると、友人宅で仲間たちとコンティニューコマンドを利用しつつ連日遊びまくった結果、どんどん先のステージに進めるようになった。確か夏休みが終わる頃には、ステージ6まで進めるようになったと記憶している。
特に、レッドアリーマーが大量に出現するステージ3では、レッドアリーマーに向けて武器を放つ位置とタイミングを1発ずつ決めて倒す、または画面外に消し去るパターンをみんなで試行錯誤しながら作り上げ、初めてクリアに成功して大喜びしたことは今なお忘れられない。

コンティニューコマンドを利用して、さんざん苦しめられたステージ3を初めて突破したときは本当に嬉しかった
便利なコンティニューコマンドが使えるようになったとはいえ、そこは天下の「魔界村」。ファミコン版では、アーケード版とは違った形で仕掛けられた、さまざまなトラップに苦しめられたことも、今となっては良い思い出である。
前述した弥七は、ステージ1で2個出現するが、実は1個目の弥七は取っても100点しか入らず、しかも取ると残りタイムが30秒も減ってしまう、まさに毒まんじゅうのようなトラップだ。筆者は当初タイムが減ることに気付かず、後に友人の指摘だったか、雑誌の記事だったかでその正体を初めて知ったときにはひっくり返るほど驚かされた。
ステージ1の最初の弥七は、うっかり取るとタイムが減るワナが仕掛けられている
ステージ3と4には、キングが入った壺が2個ずつ隠されているが、前者は2個目、後者は1個目のキングを取ると、アーサーが一定時間カエルの姿に変身して武器が一切使えなくなる、その名も「カエルキング」という、こちらも実に厄介なトラップであった。
ほかにもステージ2以降では、連射がしやすい短剣に比べて使いにくい感のある、斧やたいまつが入った壺が出現する場所がいくつかあり、うっかり取ってしまったときはテンションがガクンと下がってしまう。しかも困ったことに、便利な短剣だけは隠された壺から一切出現せず、壺を持った敵を倒してドロップさせる以外に入手方法がないのが何とも嫌らしかった。

ステージ3に出現する「カエルキング」。うっかり取ってしまうと、すぐ近くにレッドアリーマーがいるので最悪の極致に……
ステージ6より。たいまつや斧が入った壺が立て続けに出現するのが実に嫌らしかった
その後、ファミコン雑誌の裏技コーナーに掲載された新たな隠しコマンド、ステージセレクトのおかげで、自力で1周クリアに成功するきっかけをつかんだことでも、筆者にとって本作は思い出深い。
当時の筆者は、終盤のステージ5と6が大の苦手だった。そこで、ステージセレクトコマンドを利用して両ステージだけに絞って練習を繰り返した結果、アーケード版では果たせなかったステージ7へと進み、大魔王を倒してエンディングを迎えたときは本当に感動した。
難易度がさらに上がる2周目は、全ステージクリアまでやり込むことはなかった。だが筆者は、ある日ステージセレクトコマンドを入力後に大魔王を倒してから、2周目のステージ1でわざとミスをして、リスタート時にステージ7を選択すると、いきなり2周目の大魔王と戦えることに気が付いた。
これ幸いにと、今までゲーセンで上手なお兄ちゃんが遊んでいるところでしか見たことがなかった、真のエンディングをちゃっかりと拝ませていただいた。さらに1周目と2周目とでは、エンディング曲がそれぞれ異なることに初めて気付き、特に2周目の曲がすごくカッコよくて感動したことも、今なお鮮明に記憶している。

ステージセレクトのおかげで、ラスボスの大魔王をはじめ攻略パターンを加速度的に作ることができた
本稿を執筆するにあたり久々に本作をプレイしたが、けっして簡単ではないのについつい夢中になってしまう、その面白さは今も変わらないと改めて実感した。
本作はNintendo Switch Onlineで配信されているので、本サービスに加入していれば追加料金なしで今でも手軽に遊べる。さらにNintendo Switch Onlineでは、ステージ6から短剣を装備した状態でスタートする「大魔王まであと少しバージョン」も配信中だ。2021年に配信された「帰ってきた魔界村」で本シリーズの存在と手ごわさを知った若者諸君も、ぜひファミコン版にもチャレンジしていただきたい。
