ゲームの最新情報などを発表するイベント“Summer Game Fest 2026”(サマーゲームフェスト2026)にて、2027年に『クレイジータクシー:ワールドツアー』が発売されることが発表された。
初代『クレイジータクシー』は1999年にアーケードゲームとして稼動開始。客を目的地に運ぶドライブゲームだが、路上を走る一般車にも車内の客にすらも遠慮のないハチャメチャドライブができる、その名の通り“クレイジー”なゲーム性が話題となり、いまでもファンの多いタイトルだ。
サマーゲームフェストの開催地である米・ロサンゼルスでは本作のメディア向けプレゼンテーションが開催。初代『クレイジータクシー』のディレクター兼ゲームデザイナーを担当、本作ではクリエイティブプロデューサーを務める菅野顕二氏が、自ら開発中のデモをプレイし、ゲームの概要とともに本作に込めた思いを語った。本稿ではその模様をリポートする。
※記事内で使用されているスクリーンショットは開発中のものになります。
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完全新作として“ストーリーモード”を実装。5つの都市を巡る
菅野
じゃあ、ちょっと昔話をしましょうか。『クレイジータクシー』(以下『クレタク』)は1999年、じつは僕の結婚した年に生まれました。すごい思い出の深い年なんですね。
当時はレースゲーム、レースゲーム、レースゲームって、周りを見ると車のゲームは全部レースゲームだったので、新しいことをしたいな、チャレンジしたいなと思って始めたのが『クレタク』なんです。僕は映画も好きなんですが、カーチェイスで盛り上がっていたのでこれをぜひゲームで体験したいなと思い、ゲームデザインを考えました。
こだわったのは“街づくり”。人や車が動いて、そこをスリリングに走り抜けるところを表現したいと思ったのが原点です。
もうひとつこだわったのは“かっこいい走り”。それまでスピード=車という印象があったのを、『クレタク』ではかっこよく走るということにすごくこだわりました。止まるときにもドリフトを「ガッ」と決めるんですけど、速さから考えると無駄な動きなんです。でもそれを“かっこいい”とすることがポイントですね。プレイスタイルも人それぞれで、みんなが評価される個性というのをすごく大切にしました。
じつは、タクシーをやるって言ったときにみんなに大反対されたんですよ。「かっこ悪い。なんでタクシーなの? おもしろくないじゃん」とか散々言われましたね。ただ、メンバーに「かっこよくないものをかっこよく見せて作るのがプロフェッショナルでしょう。みんなプロじゃなくてアマチュアなの?」と言ったら、「俺らはプロだ」となって、こういう形で作り上げたんです。
で、皆さんそんな古い話はいいから早く新作を見せろって思っているでしょ?(笑)
会場 Yes!
菅野
わかりました! 新作を見せましょう!
菅野
(デモをプレイしながら)意外にうまいでしょ?(笑)こうやって見ていると「リメイクを作ったの?」って勘違いする人がいるんですけど、今回の『クレイジータクシー:ワールドツアー』は、ひとり用のしっかりしたストーリー展開があるデザインで作っています。だから完全なる新作として作っています。
5ヵ国の代表的な都市を回って、旅をしている感覚を味わえるのがワールドツアーの名前の由来です。「どこの国なの?」って気になるかもしれませんが、今日は言えないですよ(笑)。
皆さん望んでいましたので、ひとり用のほかにマルチモードというのを用意しています。あと旧作ファンもいらっしゃると思うので、『クレタク』旧作のルールで遊べるクラシックモードも用意しています。
昔からあるダッシュやドリフト、バックなどもあって、そのスキルも十二分に活かせば魅せるプレイスタイルができます。あと、マップデザインも旧作をやっている人であれば「こんな風に変わったんだ」というのを楽しめるようなデザインになってます。背景はどのようにいま風に作ろうか悩んで苦労しましたけど、けっこういいデザインになったのではないかと自負しています。
客を乗せて下ろすという『クレタク』のベーシックな部分は、しっかり皆さんが楽しんでもらえるように作っています。特定のお客さんからお願いをされてそれをクリアーするというミッションも用意しています。
こちらは公式素材のスクリーンショットだが、デモの中では海の中でけっこうな深さまで潜るところも披露された。
さまざまなミッションほか、キャラクター性がわかるような要素も
菅野
こちらはピザを運んでいるミッションですが、ピザは温かいうちに届けなくちゃいけないのでぴったりですね。
菅野
見た目にもバカバカしいっていうことにもこだわってるんですけど、それよりもゲーム的にしっかりして、何回も楽しめるってところもこだわって作っています。5つのロケーションがあると言いましたが、そこにはミッションもたくさん用意して、一部はストーリーに絡む展開もあり、非常に楽しいデザインになっています。旧作でも見たことのあるキャラクターも出てきて、「お、こいつ!」って思う喜びもあるので、旧作ファンはけっこう喜んでくれるかな。
菅野
ちょっと夜のステージを見てもらいましょう。客を拾ったり、客のミッションをこなしたりするほかに、“アクティビティ”という要素があります。
菅野
マップを走っているだけでいろいろな客を見つけられますし、突然の出会いでアクティビティをこなす楽しみもあるので、走っていて楽しいコースになってます。バカバカしいものだけではなく、きちんと歯応えのあるミッションも用意して、そのバカバカしいものと歯応えのあるもののバランスをとって、飽きさせないように構成しています。
旧作で出てきたキャラクターも登場します。昔はどんなキャラクターかというのまでは描けなかったのですが、こういうところで少しずつ「こういう人だったんだ」ということがわかるようになっています。
先ほどドリフトとかダッシュは昔のままと言いましたけど、新しいブーストが用意されています。いまはまだ詳しくお伝えできないんですけど、これもおもしろい要素なので、話せるときになったら詳しく話そうと思っています。
ステージが進むにつれて難易度も当然上がっていくので、車のチューンナップも今回はしっかり、用意させてもらってます。
菅野
大枠の紹介は以上になるのですが、皆さんトレーラーは見ていただけましたか? その中に「何これ?」っていうのありませんでした? お魚出てましたよね。
トレーラーに出てくるサメのような大きな魚を釣り上げるドライバー。これは……?
菅野
大真面目な話、日本の開発からは、まだ途中だから見せないでほしいって言われていたんですけど、皆さんが見たいって言ったら流します。見たいですか?会場 Yes!
菅野
わかりました。お見せしましょう。その代わりナイショですよ。すごい楽しいコンテンツになっています。
編集部注:デモの中では桟橋に停められた車の中から海へ向かって釣り竿を投げ、魚がかかったタイミングで車を操作し(ゲージのようなものが出ていたので、おそらくタイミングでアクセルを踏み込んだりブレーキをかけたりするものと思われる)魚を釣り上げる様子が公開された。魚も通常の大きさとトレーラーに出てくるような巨大な魚の2種確認できたので、複数種が存在するようだ。
菅野
(スタッフがプレイしているのを見て)これカンタンそうにやっていますが、(車を)止めるのも難しいんですよ。バック走行でのダッシュ技もけっこう難しいですね。(海に)落ちるところでしたが、大物が釣れましたね!
さあ、これ以上見せると僕が日本に帰ってから怒られちゃうので(笑)。
配信モードにも対応 最後に、その場で行われた質疑応答の内容をリポートする。“クレイジーボックス”など旧作ファンが気になる内容の詳細は明かされなかったが、配信用のモードが用意されていることが明らかになった。――“クレイジーボックス”が大好きなんですけど、先ほどの釣りも、“クレイジーボックス”へのオマージュかなと思ったんですが、ほかのクレイジーボックスも帰ってくるんですか? たとえばボウリングとか。
菅野
やっぱり期待しますよね。ここまで盛り上がっているので言いたいのですが、今日は言えないので、そのうちお話します。でもまあ、期待していてください!――配信者用に、ライセンスされた音楽が流れないようなモードはありますか?
菅野
はい。配信モードは入れる予定です。ぜひ配信してください(笑)。――タクシーの料金が出るんですけど、インフレも再現されるんですか?
菅野
どうだろう、リリースされたらチェックして、できればインフレ率をリポートしてください(笑)。
では最後に……僕たちは個性というのをすごく大切にしたいと考えています。いわゆる自分のプレイスタイル、自分の表現したい遊びかたというのが制限されることなく肯定される商品デザインを叶えたいと思い、チーム一丸で組んできました。
今日は細かくは言えないんですけど、カスタマイゼーションというのも、僕たちだからできるユニークな仕組みになっていて、ここにいる人全員驚いて楽しんでくれると思っています。ぜひここにお集まりの皆さんにはそれをいろいろな方に伝えて、「僕の個性はこうだよ」ということを、広げてくれるようなものになっていくといいなと心から思ってます。よろしくお願いします。
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