白熱の“ルーズヴェルト・ゲーム”は全セが制す、細川成也はホームランダービー&MVPの“二冠”
7月29日、富山市民球場で「マイナビオールスターゲーム2026」第2戦が開催された。同球場での開催は1996年以来、30年ぶり2度目。試合前には第1戦に続いてホームランダービーが行われ、球界屈指のスラッガーたちが豪快なアーチを競い合った。前夜からの第4試合では牧秀悟(DeNA)が3対2で栗原陵矢(ソフトバンク)を、第5試合では細川成也(中日)が8対2でレイエス(日本ハム)を下して勝ち抜く。準決勝では細川が4本を放ち、3本の牧を退けて佐藤輝明(阪神)との決勝へ。頂上決戦でも佐藤の2本を上回る3本をスタンドへ運び、3度目の挑戦で初のホームランキングに輝いた。
雄大な立山連峰を望む、通称「アルペンスタジアム」での夢の球宴。先発した全パ・エスピノーザ(オリックス)、全セ・髙橋遥人(阪神)は、ともに走者を背負いながらも2イニングを無失点。髙橋は全23球を直球だけで押し切る力勝負を演じ、スタンドを沸かせた。3回表、全パ二番手の髙橋光成(西武)がマウンドへ上がると、マスクをかぶったのは三塁でスタメン出場していた栗原。高校日本代表以来、12年ぶりのバッテリーが実現した。しかし、浦田俊輔(巨人)に二盗、三盗を決められて一死三塁とされると、長岡秀樹(ヤクルト)の三ゴロの間に先制点を献上。さらに佐藤、細川に連続ソロを浴び、この回3点を失った。
全パはその裏、反撃に出る。全セ二番手・遠藤淳志(広島)を攻め、一死一、三塁の好機をつくると、西川龍馬(オリックス)が右前へ適時打。さらに二死一、二塁で柳田悠岐(ソフトバンク)が外角高めの145キロ直球を豪快に振り抜いた。「レフトに風が吹いているのは分かっていたので、あっちへかち上げたいと思っていました」。高々と舞い上がった打球は左中間席へ飛び込む逆転3ラン。全パが一気に4対3と試合をひっくり返した。それでも全セは4回表、全パ三番手・大津亮介(ソフトバンク)から長岡が右前適時打を放ち、すかさず同点に追いつく。
互いに一歩も譲らない展開の中、4回裏には全パが再び勝ち越しに成功する。無死一、三塁から一塁コーチャーの新庄剛志コーチ(日本ハム)のサインでダブルスチールを敢行。捕手・坂本誠志郎(阪神)が二塁へ送球する間に三走・若月健矢(オリックス)がホームインすると、さらに清宮幸太郎(日本ハム)の犠飛で加点し、6対4とリードを広げた。しかし、全セもすぐさま反撃。5回表、無死一、二塁で大城卓三(巨人)が大津の内角低め146キロ直球を捉えると、打球は右翼フェンスを直撃。2点適時二塁打で再び試合を振り出しに戻した。
シーソーゲームは続く。5回裏、代打・レイエスが全セ四番手・清水昇(ヤクルト)のカーブを巧みに捉え、左翼席へ勝ち越しソロを放つ。1点を追う全セは6回表、細川が全パ四番手・椋木蓮(オリックス)の150キロ直球をフルスイング。「感触は良かったです」と振り返った打球はバックスクリーンへ飛び込む豪快な逆転2ランとなった。
6回以降は全セ投手陣が踏ん張った。五番手・船迫大雅(巨人)、六番手・レイノルズ(DeNA)が1イニングずつを無失点に抑えると、8回裏から登板した七番手・岡本駿(広島)は2イニングを無失点でつなぎ、1点のリードを守った。8対7の“ルーズヴェルト・ゲーム”で全セが勝利し、2024年第2戦から続いていた連敗を4で止めた。通算成績は全パの94勝82敗11分となった。
MVPに輝いたのは、2本塁打を含む3安打3打点をマークした細川。「信じられない気持ちですけど、こういう賞を獲れてうれしいです。ホームランダービーでも優勝できて、本当に楽しくできました」と満足げな表情を浮かべた。敢闘選手賞には岡本、大城、柳田が選ばれ、試合を通じて子どもたちに夢を与えた選手に贈られるマイナビドリーム賞は柳田が受賞。スター選手たちが繰り広げた熱戦に、富山のファンはプロ野球の魅力を存分に味わった。
