『マインクラフト』と聞いて、未だに四角いブロックを積んで家を建てる、のんびりとしたゲームを思い浮かべる人は少なくないかと思います。もちろん子どもから大人まで世界中で遊ばれている、カジュアルなゲームの代表格であることは間違いありません。

ただ、実際にあのフィールドにスポーンすると、夜になればゾンビやスケルトンが襲いかかり、背後からはクリーパーが忍び寄ってきます。建築だけではなく、装備を強化しながらエンダードラゴンの討伐を目指すアクションの側面もあれば、PvPもハードに遊ばれています。根気のいる強化要素とキャラクターの操作技術が鍵を握るアクションの要素──油断すれば容赦なく死が訪れる、手強いゲームでもあるのです。

2026年9月29日に発売された『Minecraft Dungeons II』は、そんな『マインクラフト』の世界を舞台にしたハクスラ『Minecraft Dungeons』の続編です。

開発陣は本作について、ハクスラに馴染みのない人でも、コントローラーを手に取ればすぐに遊べるような親しみやすさを目指したとアピールしています。では、実際にじっくり遊んでみると、その“遊びやすさ”はどこまで続くのでしょうか。そして、エンディングの先には何が待っているのでしょうか。

筆者は今回、発売前にレビューコードを提供していただき、エンディングまでプレイしたうえで、その後のやり込み要素にも手を伸ばしてみました。結論から言えば、本作のシステムはカジュアルで明快です。それでいて、敵を倒し、装備を集め、自分だけのビルドを組み上げていく“ハクスラ”的な楽しさを存分に味わえる作品でした。

そして何より、難度は決してぬるくありません。その歯ごたえにこそ、筆者は“マイクラらしさ”を感じたのです。

そもそも“ハクスラ”ってどんなゲーム?
本題に入る前に、ジャンルについて簡単に触れておきます。“ハクスラ”とは“ハック・アンド・スラッシュ”の略で、大量の敵を倒して装備品を手に入れ、より強くなってさらに強い敵に挑む……というサイクルを楽しむゲームのことです。代表的な作品としては『ディアブロ』シリーズが挙げられますね。

このジャンルの醍醐味は、手に入れた装備の組み合わせで自分だけの戦い方(ビルド)を作り上げていくところにあります。ただ、装備の種類や数値が複雑で、とっつきにくい印象を持っている人もいるかもしれません。実際、筆者も『ディアブロ』シリーズを遊んだことのないハクスラ初心者です。本作はその入口を、驚くほどシンプルにしてくれています。

操作はシンプル、でも“考えて戦わないと”すぐにやられる
筆者は本作をキーボードとマウスでプレイしました。コントローラーでもプレイできます。まずプレイして感じたのは、とにかくUIと操作が明快だということです。使うボタンは少なく、移動と攻撃、回避といった基本的な操作はすぐに手に馴染みます。

フィールドで迷うこともありませんでした。マウスホイールを押し込むと、目的地までの道を光のガイドが示してくれる「導きの光」という機能があり、これが非常に便利です。そもそもフィールドの構造が分かりにくいわけではありませんが、この機能のおかげでほとんど道に迷うことなく冒険を進められました。

そして本作には難易度の設定がありません。正直に言うと、序盤は「ちょっと簡単すぎるかな?」と思っていました。しかし、その油断がいけませんでした。調子に乗って敵の群れに突っ込んだところ、クリーパーの爆発を食らい、遠くにいるスケルトンに矢でちくちくと刺され、あっけなくやられてしまったのです。

ここで気づいたのは、本作の敵は基本的に束になって襲ってくるということです。囲まれてしまえばすぐにやられてしまう難度に設定されていて、子ども向けにも見えるビジュアルとは裏腹に、一切ぬるくはありません。だからこそ重要になるのが、群れの中から最も脅威となる相手を見極めることです。

爆発で大ダメージを与えてくるクリーパーや、厄介な遠距離攻撃の敵を優先して倒していく。この判断がうまくハマったときの気持ちよさは格別です。ボタンの数は少なくても、キャラクターの位置取りや操作技術がしっかり問われます。

また、見慣れた敵が見慣れた攻撃を仕掛けてくるのも、本作の分かりやすいポイントです。クリーパーは近づいてきて爆発し、スケルトンは遠くから矢を放ってくる。『マインクラフト』を遊んだことがある人、いや遊んだことはなくともなんとなくゲームを知っている人であれば、どう対処すればいいかが直感的に分かるはずです。

戦闘は大きく分けて3種類あります。フィールドを歩いていると出会う雑魚敵との戦闘、特定の場所で大量の敵が襲ってくる“待ち伏せ”と呼ばれるイベント戦闘、そしてボス戦です。待ち伏せは、次々と押し寄せる敵の波をしのぎ切るレイドバトルのような戦い。ボス戦ではキャラクターの操作技術がより重要になり、攻撃をしっかり避けながらダメージを与えていく、なかなか歯ごたえのある戦いが楽しめます。

死んでもロストなし!ストレスを徹底的に減らした親切設計
ぬるくはない難度でありながら、理不尽さを感じないのが本作の優れたところです。

まず、倒されても何かを失うことはありません。やられると拠点に戻されますが、そこで装備を強化してからすぐ近くから再挑戦できます。強化の必要がなければ、3秒ほどで再び戦いの場に戻ることもできます。失敗しても何度でも気軽に挑み直せるので、リプレイ性が高く、ストレスがありません。

体力が残りわずかになると、画面に演出が入り、音でも知らせてくれます。そのため、“いつの間にか死んでいた”ということは一度もありませんでした。毒や炎などの継続ダメージで倒されることもないので、じわじわ削られて力尽きる、体力が削られていく自分をただ見守るだけの時間もありません。

さらに嬉しいのが、回復ポーションが“タダ”だということです。本作の回復ポーションは消耗品ではなく、時間経過で再び使えるようになるスキルのような扱いになっています。そのため、消耗品の残り数を管理したり、「ここで使うべきか……」と悩んだりする必要が一切ありません。ガンガン使えるなら使っちゃえばいいのです。

こうした設計の積み重ねによって、本作は“難しいけれど、考えれば誰でも攻略できる”バランスに仕上がっています。しっかりこまめに装備を強化して、敵の優先順位を考えながら戦えば必ず道は開けます。ただボタンを連打するだけではなく、考えなければいけない。戦いに工夫の余地があるということは、そのまま面白さに直結していきます。

装備強化の鍵を握る“拠点の3人”
ここからは、本作のハクスラとしての核心である装備の話をしていきます。装備を集めて強くなっていく過程で欠かせないのが、拠点にいる「街の商人」「エンチャントスミス」「鍛冶屋」の3人の存在です。

街の商人からは、武器や防具といったアイテムをエメラルドで購入できます。商人のレベルを上げると、よりレアリティの高いアイテムが並ぶようになります。ただ、クエストをクリアしたりフィールドを探索したりしていけばかなりの数の武器や防具が手に入るので、筆者はあまり利用する必要を感じませんでした。

エンチャントスミスは、その名のとおり、装備にエンチャントを付与する存在です。冒険の中で集めた「エンチャントの本」とエンチャントポイントを使って、アイテムにエンチャントを付与したり、強化したりできます。また、残響のかけらという特別な敵を倒すことによって獲得できる通貨のようなものでお店をレベルアップさせると、エンチャントをさらに強化できるようになります。

ここで特に大事なのが、アイテムのエンチャントを解除すると、使用したエンチャントポイントが返還されるという点です。しかも、エンチャントの本は1冊を複数のアイテムに使い回せます。つまり、エンチャントは取り返しのつかない強化ではなく、いつでも元に戻せるのです。

ハクスラやRPGを遊んでいると、「もったいないから」と強化アイテムを使わずに温存してしまうことはないでしょうか。本作ではその心配がありません。気になるエンチャントがあれば、とにかく試してみればいい。合わなければ外して、別のものを付ければいい。どんどん使って、どんどん試していくのが、本作の面白さだと感じました。

鍛冶屋でできることは大きく2つあります。ひとつは、エメラルドを使って装備のレベルを現在のキャラクターのレベルまで上げること。もうひとつは、残響のかけらを使って装備品の“エフェクト”を再抽選することです。

エフェクトとは、装備品に付いているパッシブスキルのような効果のことです。単純に攻撃力や回復量が上がるものもあれば、炎や雷といった属性のダメージが上昇するものもあります。鍛冶屋はレベル1では低いレアリティの装備のエフェクトしか再抽選できませんが、残響のかけらでレベルを上げると、よりレアリティの高い装備のエフェクトも再抽選できるようになります。

装備のレベルを上げられる仕組みも非常にありがたいものでした。この手のゲームでは「レアリティは高いけれど、レベルが低くて使い物にならない」という装備が生まれることがしばしばあります。本作では、鍛冶屋でアイテムレベルを引き上げられるので、そうした事態は一切発生しませんでした。要するに、気に入った装備は最後の最後まで使い続けられるのです。

ビルドの幅を広げる「アーティファクト」と新要素「タリスマン」
装備品の中でも、戦い方を大きく左右するのが「アーティファクト」と「タリスマン」です。

アーティファクトは、装備することでユニークな能力が使えるようになるアイテムです。最大で3つまで装備でき、それぞれに割り当てられたキーで使用します。使用するとソウルというMPのようなものを消費し、多くのアーティファクトには再び使えるようになるまでのクールダウンが設定されています。

すぐに発動するもの、継続して発動し続けるもの、力を溜めて最後に大きな力を解き放つものなど、発動方法もアーティファクトごとに異なります。属性攻撃も、アーティファクトによって通常攻撃に付与したり、直接攻撃したりと種類が分かれます。

そして、本作の新要素であるタリスマンは、装備することでパッシブな効果を得られるアイテムです。このタリスマンこそが、本作のビルドの鍵を握っていると感じました。

筆者のビルドは“雷×回復”のタンク戦法
では、筆者が実際にどんなビルドでエンディングまでたどり着いたのかを紹介します。

筆者は近接武器と弓の中から気に入ったものを中心に、ビルドを組んでいきました。軸になったのは、序盤に手に入れた雷属性のアーティファクト「サンダーポーチ」です。これは自分の周りに雷の衝撃波を発生させるもので、敵に囲まれやすい本作ではとにかく活躍してくれました。

これをさらに活かすため、鍛冶屋で装備のエフェクトを何度も再抽選し、雷属性の攻撃が上昇するエフェクトが付くまで粘りました。狙ったエフェクトを引き当てるまでリロールを繰り返す時間は、まさにハクスラならではの楽しさなのではないでしょうか。

タリスマンは、体力の最大値が上がる「蜜蝋の紋章」と、モフモフの犬が一緒に戦ってくれる「美味しい骨」を装備。近接武器には、敵を倒すと回復できるエリアが生成されるエンチャント「ヒールスマイト」を付けました。そのほかのエンチャントやアーティファクトも回復を重視して選び、とにかく耐えまくるタンク戦法でクリアしました。

なぜタンク戦法なのか。それは、体力が高く、攻撃力も高いことは“正義”だからです。敵の群れに囲まれても倒れずに踏みとどまり、雷の衝撃波でまとめて吹き飛ばす。自分の組んだビルドが噛み合ったときの爽快感は、まさにハクスラの醍醐味そのものでした。

エンディング後こそが本番!待っていたのは無限に続く“装備あさり”
本作の真価が発揮されるのは、エンディングを迎えた後です。むしろ、エンディングまでは長いチュートリアルだったと言ってもいいかもしれません。エンディング後はいくつかのエンドコンテンツが用意されています。

ひとつめは「亀裂とダンジョン」です。ワールド各地に存在する亀裂(シフトへとつながる裂け目)やダンジョンに挑み、エンチャントの本を探し出します。

ふたつめは「残響のかけら」集め。ソウルに冒されたモブと戦って残響のかけらを集め、装備をアップグレードしていきます。エンチャントスミスや鍛冶屋のレベルアップにも使う素材なので、ビルドを突き詰めるには欠かせません。

筆者はエンディング後、亀裂とダンジョンに潜ってはひたすらエンチャントの本と装備をあさり、ビルドを強化する作業に没頭しました。エンディングまでに組み上げたビルドを、さらに磨き上げていく。この“沼”こそが、本作の本当の面白さなのだと感じています。

そしてみっつめが、高難度コンテンツ「ソウルストーム」です。エンディング後の世界では、壊滅的なエネルギーを持つソウルストームを発生させる装置が各所に設置されており、プレイヤーは迫り来るモブの大群と戦いながら「ストームジェネレーター」を破壊していきます。

このソウルストームが、かなり難しい。シンプルに敵が強く、そして多いのです。さらに、フィールドにスポーンするボス、ストームジェネレーターから登場するボスまで戦いに加わってくるので、戦場はかなりカオスな状態になります。

中でも厄介だったのが、エンダーマンです。ワープを繰り返すので攻撃が当てにくく、しかも固いうえに攻撃も強烈で、2、3発食らうとあっという間に倒されてしまうので気が抜けません。

ソウルストームには15分の制限時間があり、筆者は時間内のクリアにあと一歩届きませんでした。ビルドをさらに磨き上げて、引き続き挑戦していくつもりです。

パステルカラーで彩られたシフトと、世界に溶け込む音楽
最後に、グラフィックと音楽についても触れておきます。

グラフィックでは、亀裂の先に広がる新ディメンション「シフト」の美しさが印象的でした。これまでの『マインクラフト』ではなかなか見られなかった、まるで夢の中のような、パステルカラーの可愛らしい世界が広がっています。

このシフトは、本家『マインクラフト』にも2027年に実装されることが発表されています。また、登場するキャラクターたちもみんな可愛らしいのが嬉しいところです。

音楽は、自然の環境音にぴったりと寄り添う、ゆったりとした“マイクラらしい”楽曲が中心です。一方でボス戦では壮大な楽曲が戦いを盛り上げてくれます。ストーリーが音楽をテーマにしたものなだけあって、世界観に馴染むアンビエント調の落ち着いた雰囲気でありながら、確かな存在感も放っていました。

入口はやさしく、奥は深い。そして“マイクラらしく”手強い
『Minecraft Dungeons II』は、ハクスラ未経験者でも楽しめるのか。その答えは、間違いなく“YES”です。

操作はシンプルで、UIは明快。倒されても失うものはなく、回復ポーションの残り数に悩むこともありません。エンチャントはいつでもやり直せて、気に入った装備は最後まで使い続けられる。“とっつきにくさ”や“もったいなさ”というプレイのハードルを上げてしまう要素が丁寧に取り除かれています。

一方で、決してぬるいゲームではありません。敵は群れで襲いかかり、考えずに戦えばあっという間にやられてしまいます。だからこそ、敵の優先順位を考え、装備を強化し、ビルドを工夫して乗り越えたときの達成感は格別です。

カジュアルに見えて、実際に遊んでみると手強い。それはまさに、本家『マインクラフト』と同じ魅力です。ハクスラに興味はあったけれど手を出せずにいた人にこそ、ぜひ遊んでみてほしい一作です。

『Minecraft Dungeons II』は、PC(Steam/Microsoft Store)/PS5/XBOX Series X|S/ニンテンドースイッチ/ニンテンドースイッチ2向けに発売中。Game Passにも対応しています。

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