2026年10月7日(現地時間)- Unity Technologiesは、コードを書かずにブラウザー上でゲームを作り、ほかの人と一緒に手を加え、公開して遊べる新サービス「Unity Spark」を発表しました。あわせて、Googleとの戦略的パートナーシップも発表しています。
Unity Spark とは
UnityのCEOであるMatt Bromberg氏は、公式ブログ「Why we built Unity Spark」で、Unity Sparkを「ブラウザー上で人が集まってゲームを作り、共有するための新しい方法」と説明しています。Unityやゲーム開発の経験は必要ありません。
キャッチコピーは「Prompt it. Perfect it. Publish it.(プロンプトで作り、磨き、公開する)」です。Unity Asset Storeのアーティストが作ったアセットを使ってゲームを組み立て、新しいWebベースのエディターで仕上げます。
ゲーム作りには、シナリオ、デザイン、アート、サウンド、UI、レベルデザイン、フロントエンドとバックエンドの開発、システム設計、スクリプトなど、多くの専門技術が必要です。そのため、自分の作品を完成させることは、多くの人にとって手の届かないものでした。
Unityで作られたゲームを遊ぶ人は毎月約30億人にのぼる一方で、ゲームを作ったことのある人はほとんどいません。同氏はゲームを「ほぼ誰もが楽しんでいるのに、ほとんど誰も作っていない、最後の主要な娯楽」と表現し、ここを変えたいと述べています。ゲーム制作の民主化はUnityの創業時からの目標で、Unity Sparkもその考えのもとで社内で育てられてきました。
年内には、作ったゲームをGoogleの「Google Playground」へ直接公開できるようになる予定です。現在はクローズドベータの開始前で、ウェイトリストの登録を受け付けています。
Introducing Unity Spark | Prompt it. Perfect it. Publish it.
Unity Spark が目指すもの
「ワンショット」でゲーム作るツールではない
Bromberg氏は、AIに既存のゲームをなぞらせて一度に作らせる「ワンショット」は目指していません。「すでにあるゲームをAIに吐き出させても、小島秀夫になれるわけではない。『戦争と平和』の冒頭をワープロで打ち直してもトルストイになれないのと同じ」というたとえを挙げ、Unity Sparkは手を加えて磨き、人に見せたくなる独自の作品を作るためのものだとしています。
想定している利用者として、次のような人が挙げられています。
あるジャンルを何千時間も遊び込み、何が足りないかをよく知っているゲーマー自分の構想を形にしたいが、コードは書けないグラフィックアーティストまったく新しいものを作りたいと考えているMOD制作者
同氏は、ここからプロになる人が出ることや、現役のプロが新しいアイデアを試すために使うことにも期待を示しています。
主な特徴プロンプトで作り始め、Webのエディターで仕上げる
Unity Sparkでは、コードを1行も書かずにゲームを作ることができます。キャッチコピーの「Prompt it」のとおり、まずは文章での指示(プロンプト)からゲームを組み立てる仕組みと見られます。そのうえで、新しいWebベースのエディターでゲームに手を加え、完成度を上げていく流れで進めていきます。
公開された画面には、ゲームのビューの上に「Chat」と「Editor」の切り替えや、オブジェクトの選択・移動などの道具が並んでいます。対話での指示と、エディターでの直接の操作を行き来しながら作る形と見られます。
Unity Asset Storeのアセットで作る
Unity SparkはUnity Asset Storeに直接つながっており、コミュニティのアーティストが作った数千点の高品質なアセットを使ってゲームを作ることができます。
Bromberg氏は「すべてはゲームのアートから始まる」と書いており、AIが一から絵を作るのではなく、人の手によるアセットを土台にする点を前面に出しています。
ほかの人と一緒に作り、公開して遊ぶ
作ったゲームは、ほかの人と一緒に改良したり、公開して遊んでもらったりできます。作る、直す、公開する、遊ぶまでをブラウザーの中で済ませられます。
Google Playgroundからも公開可能に
今回の発表にあわせて、UnityはGoogleとの戦略的パートナーシップを発表しました。年内にUnity SparkをGoogleの「Google Playground」に組み込む予定です。
これにより、Unity Sparkで作ったゲームをGoogle Playgroundへ直接公開し、そこからすぐにプレイヤーに届けられるようになるとしています。Unityのエンジン技術と、Googleの幅広い一般向けのサービスを組み合わせ、新しい世代のつくり手にゲーム制作を届けることを目指すとのことです。
Unity Sparkで作られたゲーム
公式ページでは、Unity Sparkで作られたゲーム4本が公開されており、ブラウザーで遊べます。
Space Corridor: 宇宙船を守りながらエイリアンのドローンと戦い、コンピューターを復旧させていく、暗い雰囲気のSFシューター。Horror story: 幽霊屋敷を調べ、角の先に潜むものから生き延びるホラーゲーム。Emberwell: 暗い森を冒険し、モンスターと戦いながらクエストをこなす、様式化されたグラフィックのRPG。Robot Race: 相手をはじき飛ばしながらゴールを目指す、カラフルなレースゲーム。
Space Corridor
Horror story
Emberwell
Robot RaceSpace CorridorHorror storyEmberwellRobot Race提供開始時期と利用条件
Unity Sparkは「近日クローズドベータ開始」とされており、公式サイトでウェイトリストの登録を受け付けています。
提供の形クローズドベータ(近日開始予定)。公式サイトでウェイトリストを受付中最初の対象米国在住の18歳以上の個人利用環境WebブラウザーGoogle Playgroundへの公開年内に対応予定価格発表されていません
公開当初は、米国に住む18歳以上の個人だけが利用できます。米国の外に住んでいる人もフォームに記入しておけば、自分の地域で使えるようになったときに知らせを受け取れるとのことです。日本での提供時期は、本記事執筆時点(2026年10月7日)で案内されていません。
