デベロッパーのArtless Gamesは11月2日、言語解読ゲーム『Message From Aliens』をリリースした。プラットフォームはPC(Steam)。
『Message From Aliens』は、宇宙からやってきた大量の謎の記号を解読するゲームである。プレイヤーはひとつひとつの記号の意味を推測し、適宜メモを書き残しながら、謎の記号の意味を探ることになる。なお、本作は日本語に対応していると表記されているが、作品内に日本語は登場しない。それどころか、対応していると表記のある103の言語のいずれも使われていない。ゲーム内には意味不明の記号しか存在していないのだ。

ゲームを起動するとタイトルか何かだと思われる文字が登場するが、当然のように読むことはできない。今しがた表示されたのがタイトルだったのかどうかさえわからないまま、プレイヤーはゲームに放り込まれることになる。ただし、起動したゲーム画面には謎の記号しか表示されない。絵も音楽も存在しない、もちろん目的の説明もチュートリアルも存在しない、ただ記号と向き合うだけの時間がスタートする。
記号の一部には下線が引いてあったり、枠線で囲まれていたりする。こうした場合は記号の部分を押すことで、別のメッセージが表示されるなど何らかの反応がある。最初のうちは自分が何をしているかもわからないが、とにかく何らかの操作をしたことが確認できるだろう。
また、各記号の下部には「?」が表示されている。これが本作に登場するおそらく唯一の“人間の”記号だ。「?」をクリックすると入力モードとなり、記号に対応するメモを書くことができる。意味を推測できた記号にメモを残しておけば、他の部分で登場した同じ記号にも適用される。メモを増やして、少しずつ読み解いていくのだ。

ちなみにゲーム開始直後だと、フルスクリーンで起動されるゲームを終了することすら難しくなってしまう。少々ネタバレになってしまうかもしれないが、ゲームを終了する際には画面右上の記号を押せば良い。これだけではこの記号の意味が「終わる」なのか「閉じる」なのか「去る」なのか「殺す」なのか、はたまた別の意味なのか断定はできない。ともかく右上の記号はゲームを終了するような意味合いを持つことがわかるだろう。こうしたシステム面の操作さえも記号の意味を読み解くヒントとなるわけだ。
謎の記号は1000文字以上に及び、ゲーム内には2万文字を超えるテキストが存在するという。ただし、本作に登場する記号はかなり高い情報圧縮率を持っているようだ。実際に読み取れる情報量は、自然言語の2万文字に比べて多くなると思われる。
ちなみに本作のストアページは、わずかにゲーム進行のヒントになっている。本作が複数の章から成り立っていることや、第1章に「数字体系」が登場することが明かされているのだ。最終章に至ると、異星人の詩やジョークまで登場するという。手がかりのない記号を読み解くための、重要な手がかりだ。

そんな本作はリリース直後からじわじわと注目を集め、SNS上でも「何もわからないゲーム」として話題となった。本稿執筆時点でSteamユーザーレビューは約130件寄せられており、そのうち96%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得している。本作の解読はまさに暗中模索で、何もわからない中からかろうじて意味を読み取れそうな部分を探し、見つけ、読み解いていく静かな冒険が展開される。「わからない」が徐々に「わかった」に変化していく喜びを感じられるだろう。
本作を手がけたArtless Gamesは、読んで字のごとくグラフィカルなアートを廃したゲームを作り続けているデベロッパーである。自己紹介ではやや自虐的に「ひどいアートワークが特徴で、それを誇りに思っている」とまで書かれている。過去にSteamでは、命令が1つしかないプログラミングゲームと称された『A=B』や、記号の羅列からクリア条件を推測するパズルゲーム『Understand』などをリリースしており、高い評価を受けてきた。見た目にこだわらず、ゲームの仕組みのみでおもしろさを演出する一風変わったデベロッパーだ。
ちなみに開発者によるとリリースの際にうっかり誤った日時を設定してしまったとのことで、慌てて公開したのだという。その際にリリース記念セールのチェックボックスをまたまたうっかりしてチェックし忘れてしまい、現在は定価でのみ購入することができる。今後1か月は割引を設定できなくなってしまったとも語られており、開発者は申し訳なさそうに謝罪している。少し待てば遅れてリリース記念代わりのセールがやってくるかもしれない。

『Message From Aliens』は、PC(Steam)向けに配信中。現在は定価の1050円で購入可能だ。
