Vision Pro向けのゲーム「Craftrium」。撮影:松本和大松竹とGraffityは1月29日、アップルのMRヘッドマウントディスプレイ「Apple Vision Pro」向けのゲームとして、「Craftrium」(クラフトリウム)のリリースを発表した。
Craftriumは、仮想空間上に自分だけのアクアリウムを作って楽しめるゲーム。魚を集めるといったコレクション要素もある。
日本だけでなくグローバルで展開され、対応言語は日本語と英語。リリース時点ではアプリ内課金はなく、完全に無料で楽しめる。
仕事の合間に楽しむ「仮想アクアリウム」
さまざまなアイテムが用意されている。撮影:松本和大
Craftriumは、仕事をしながらアクアリウムを楽しめるようなゲームとして開発された。だから、「なるべく仕事を邪魔しない」という視点で作られている。
例えば、アクアリウムに配置できるさまざまなアイテムが用意されているが、仕事のスキマ時間でアイテムを配置したら、あとは基本的に放置するだけでいい。ユーザーが仕事に集中している間に魚が増えているようなゲーム体験を目指した。
仮想空間で完結するので、魚に餌をあげたり水槽を掃除したりといった手間がかからないのもポイントだ。操作はVision Proに準拠したシンプルなものになっていて、Vision Proユーザーであればすぐに覚えられる。
アクアリウムに現れた新しい魚を図鑑に登録するコレクション要素もある。アクアリウムに配置するアイテムやレイアウトによって、出現しやすい魚の種類が変わる。
Vision Proの実機を使ってゲームを体験した。撮影:松本和大
仕事用のアプリとCraftriumを共存させられる「Volumeモード」と、アクアリウムのみを表示して没入感を高める「Immersiveモード」を搭載。気分やタイミングに合わせてモードを切り替えられる。
今回は実際にCraftriumを体験してみたが、自分でさまざまなアイテムを配置したアクアリウムの中で泳ぐ魚を眺めていると、自然と穏やかな気分になった。忙しい仕事の合間にプレイすれば、リラックス効果を得られそうだ。
松竹は新規事業のひとつとして、ゲーム事業に取り組んできた。撮影:松本和大
映画・映像事業や演劇事業、不動産事業を手掛ける松竹は、2019年に事業開発本部を新設し、新規事業開発に取り組んできた。そのひとつがゲーム事業だ。
2024年頃から本格的に取り組み、インディーゲームを中心に数本のゲームを展開。松竹の常務執行役員の井上貴弘氏は、ゲーム事業の業績について「比較的好調に推移している」と語る。
ゲーム開発の機能は、松竹のコーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)として2022年に設立した松竹ベンチャーズが担う。松竹ベンチャーズは、オープンイノベーションの形でさまざまな会社と連携している。
松竹と今回タッグを組んだGraffityは、ARゲームやVision Pro向けのアプリ開発を手掛けてきたスタートアップ。協業のきっかけは、GraffityのVision Pro向け空間シューティングゲーム「Shuriken Survivor」が、松竹の目に留まったことだったという。
松竹のアイデアも反映された
Craftrium内には、アイテムとして時計が用意されている。撮影:松本和大
今回のCraftriumには、企画段階から松竹も参加。Graffityが用意した企画案について、松竹のフィードバックを踏まえて検討が重ねられた。
例えばCraftrium内にはアイテムとして時計が用意されているが、これは松竹のアイデアという。
Graffityの森本CEO(左)と、松竹の井上氏。撮影:松本和大
松竹にとっても、Graffityとの協業で得たものは多かったようだ。
井上氏は、「(Graffityは)我々が持っていないような発想や、我々に足りないスピード感を持っていた。協業できて本当に勉強になった」と語る。
Vision Proのゲームをリリースした背景として、井上氏は「(Graffityと)一緒に、この世界で早めに手を挙げたかった。勢いのある会社と、今年で(創業)130周年を迎える我々が組んでVision Proのゲームを作ることで、次の新しい映画やゲームなどにつながる」と語り、期待感を示した。
なお、Craftriumは完全無料のアプリとしてリリースされたが、収益モデルはまだ定まっていない。
Graffity 代表取締役CEOの森本俊亨氏は、「Vision Proが大きく普及していない段階で収益化するのは難しい。(Vision Proの)どういったユースケースが受け入れられるのかを検証しようとする中でCraftriumのアイデアが生まれ、リリースに至った」と語る。今後はCraftriumのアップデートを図りつつ、有料課金の導入を検討する方針を示した。
