安値店では5万円前後で購入可能なASRock製ビデオカード「Intel Arc B580 Steel Legend 12GB OCOC(B580 SL 12GO)」。IntelのミドルレンジGPU「Intel Arc B580」を搭載したモデルで、白い外観も特徴となっている。
堅牢性を特徴とするASRock Steel Legendシリーズのモデルでもある同製品、コスト面だけでなく性能や作りこみの面でも優れているのかチェックしてみよう。
ここからは、Intel Arc B580 Steel Legend 12GB OCのゲーミング性能を実際のゲームをベースにしたゲームベンチマークでチェックする。今回テストするのは、「モンスターハンターワイルズ ベンチマーク」、「F1 24」、「サイバーパンク2077」、「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク」の5種類だ。
ビデオカードのテストを行うために用意したのは、ASRock Steel Legendシリーズのマザーボード「Z890 Steel Legend WiFi」を使用した環境で、CPUには準ハイエンドのCore Ultra 7 265Kを搭載している。テスト環境の詳細は以下の表に記載した。

モンスターハンターワイルズ ベンチマークは、2月28日の発売が予定されているモンスターハンターワイルズの公式ベンチマークソフトだ。最高画質の「ウルトラ」設定を狙いたいところではあったが、今回は快適にプレイする際に指標とされることが多い60fps以上を狙い、画質設定を一つ下げた「高」でテストしている。そのほかの設定は、アップスケーリング「AMD FSR(クオリティ)」、フレーム生成「オン」、レイトレーシング「オフ」に設定してテストを実行した。

ベンチマークの結果、平均フレームレートはフルHD/1080pで「74.47fps」、WQHD/1440pで「61.76fps」を記録。多くのゲーマーが快適なプレイの指標にすることが多い平均60fpsをどちらの解像度でも超えることができた。
なお、現状のモンスターハンターワイルズは、フレーム生成に対応したIntelの超解像技術「XeSS 2」は未サポートで、フレーム生成機能のない「XeSS」までのサポートになっている。今後のアップデートで対応されるか現時点ではわからないが、「XeSS 2」が正式にサポートされればパフォーマンスはさらに上がる可能性もある。Intel Arc B580自体発売されてから日が浅く、ドライバの完成度を上げていくのもこれからといった部分があるので、今後の更新でより性能が発揮される状況になることを期待したい。
F1 24は比較的Intel製GPUへの最適化が進んでいるゲームであり、XeSS 2で導入されたフレーム生成機能も利用できる。
そこで今回は、グラフィックプリセットを最高の「超高」に設定し、超解像を「XeSS(クオリティ品質)」、フレーム生成を「オン」にしてベンチマークモードを実行した。なお、計測は特に負荷の高くなるシンガポールのウェットコンディション(雨)で行った。

かなりGPU負荷の高い条件でテストを行ったが、平均フレームレートはフルHD/1080pで「119fps」、WQHD/1440pで「98fps」を記録。60fpsを超える滑らかな映像でゲームを楽しむことが可能だ。
ちなみに、ベンチマークモードの標準設定であるバーレーンのドライコンディション(晴れ)で同様にテストを実行した場合、平均フレームレートはフルHD/1080pで「184fps」、WQHD/1440pで「142fps」だった。
サイバーパンク2077では、グラフィックプリセット「レイトレーシング:ウルトラ」をベースに、超解像を「XeSS(自動)」に設定してベンチマークモードを実行した。

テスト時点のゲームバージョン(v2.21)ではXeSS 2のフレーム生成を利用することはできないが、Arc B580 Steel Legend 12GB OCはフルHD/1080pで「70.78fps」、WQHD/1440pで「59.40fps」を記録してみせた。高画質設定のサイバーパンク2077を十分にプレイできるパフォーマンスだ。
ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマークでは、グラフィックプリセットを「最高品質」に設定してテストを実行した。なお、超解像は無効にしている。

記録したベンチマークスコアはフルHD/1080pで「16,061」、WQHD/1440pは「12,690」。このときの平均フレームレートはそれぞれ「115.9fps」と「89.8fps」で、ベンチマーク評価はフルHD/1080pが最高の「非常に快適」で、WQHD/1440pは「とても快適」だった。
Intel Arc B580 Steel Legend 12GB OCの冷却性を確かめるべく、サイバーパンク2077をWQHD/1440pで30分連続実行しつづけた際のモニタリングデータを計測してみた。テスト時の室温は約23℃。
テスト中のGPUコア温度は平均56.9℃(最大58℃)で、VRAM温度も平均60.0℃(最大60℃)とかなり低い温度に抑えられており、動作クロックはGPUが2,850MHz、VRAMが2,375MHzで終始一貫した数値を維持している。
抜群に安定した動作を支えているのがGPUクーラーの圧倒的な冷却性能で、ファンスピードは平均で883rpm、最大でも1,070rpmで、ファンが低回転にも関わらず完璧にGPUを冷やしきっている。
ファンスピードのグラフを見ると分かるように、セミファンレス機能に対応しているモデルなので、GPUの負荷に合わせてファンは停止と回転を繰り返している。最低限のファン動作で平均163.5W(Total Board Power)分の発熱を抑え込んでおり、流石はASRock Steel Legendシリーズのビデオカードと言ったところだろう。
白いビジュアルが印象的なASRockのIntel Arc B580 Steel Legend 12GB OCは、強力なGPUクーラーによってArc B580の性能を最大限に引き出せるビデオカードであり、5万円前後で購入できるミドルレンジ製品の中でもかなり完成度の高い一枚だ。
これほどしっかり作り込まれたビデオカードでありながら、Intel Arc B580搭載製品の中で特に高価という訳でもない。カード長298mmとミドルレンジGPU搭載カードとしては大きめだが、ハイエンド製品に比べれば収納可能なPCケースの条件はだいぶ楽ではある。Intel Arc B580搭載ビデオカードの中では真っ先に選択すべき1枚と言えるモデルだ。





