こんな「あなた」に届けたい

・天才の頭の中をのぞいてみたいあなた
・「アカデミー賞」や「ノーベル賞」など世界最高峰に惹かれるあなた
・有名人や偉人が地元出身だと誇らしいあなた



 突然ですが、この夏、日本のゲーム史に刻まれた偉業をご存じでしょうか。あなたが熱心なボードゲーマーならば、すぐにピンと来たと思います。そうでなかったとしても、NHKの全国ニュースなどで目にしていたかもしれません。

 そう、ボドゲ界の最高峰とされる「ドイツ年間ゲーム大賞」を日本人が初受賞したのです。しかもその受賞者であるゲームデザイナー林尚志さん(49)は、われらがナゴヤ圏のど真ん中である愛知県の知立市出身!(知立は東井街道五十三次の宿場や名物「大あんまき」でナゴヤ民にはおなじみ)

 であればこの連載で紹介するのは、もはや必然といえるでしょう。にしてもイチローさんを生み、藤井聡太七冠を生み、そして林さんを生んだナゴヤってほんとにすごいですね…。

動画はドイツ年間ゲーム大賞のYouTubeチャンネルによる授賞式のライブ配信アーカイブ。受賞作発表シーンから再生されます

 ではそのドイツ年間ゲーム大賞って、一体どれくらいすごいのか。

 1979年に創立されて以来の受賞作を見ると「カタン」(1995年)を始め、「カルカソンヌ」(2001年)、「チケット・トゥ・ライド」(2004年)、「ドミニオン」(2009年)などなど…ボードゲーマーにとってはタイトル自体がパワーワードのような伝説級の作品がずらりと並びます。


1996年の受賞作「エルグランデ」(筆者私物)の箱に輝くSdJのロゴ。その色と形から「赤ポーン」とも呼ばれています

1996年の受賞作「エルグランデ」(筆者私物)の箱に輝くSdJのロゴ。その色と形から「赤ポーン」とも呼ばれています

 ボードゲームを遊んでみたいけど、たくさんありすぎてどれをやればいいのか分からない…という人にはとりあえず受賞作をお勧めすれば、大きくはずれることはないでしょう。

 そして今回それらの中に、林さんが手がけた日本(ナゴヤと言いたいところをグッと我満)発の「ボムバスターズ」が加わったのですから、ナゴヤ人としてこんなに誇らしいことがあるだろうか(いや、ない)。


9月に名古屋・栄の中日ビルにある書店「文喫」で開かれた「ナゴヤボードゲーム展」でも、林さんのインタビューが展示されていました

9月に名古屋・栄の中日ビルにある書店「文喫」で開かれた「ナゴヤボードゲーム展」でも、林さんのインタビューが展示されていました

 そんなわけでさっそくお願いしたインタビューは先日、中日新聞夕刊の名物コーナー「あの人に迫る」欄に掲載されました。今回の「ナゴヤは首都になれるのか(ボードゲームの)」も、そのインタビューの模様を収めた動画がメインコンテンツとなります(視聴はこのページの末尾から)。

 取材場所は、林さんが現在拠点としている横浜市の、中華街にあるボードゲーム店「リゴレ」のプレイスペースをお借りしました。


ボードゲームがいっぱいの素敵な「リゴレ」店内で話す林さん=横浜市中区で

ボードゲームがいっぱいの素敵な「リゴレ」店内で話す林さん=横浜市中区で

 「あの人に迫る」も十分に読み応えがあると思いますが、やはり紙幅に限界があります。一般の読者にとっては少しマニアックになってしまう、テストプレイで重視することやゲームマーケットなど市場環境の変化、AIとの関わり方などなどは、割愛せざるを得ませんでした。

 裏を返せばそれらはボードゲーマーやゲームデザイナーには非常に気になる部分ではないでしょうか。ということで安心してください。動画にはそれらも、余すところなく収められています。


存在感がすごいSdJのトロフィー。画角の関係でインタビュー動画にも終始がっつり写り込んでいます

存在感がすごいSdJのトロフィー。画角の関係でインタビュー動画にも終始がっつり写り込んでいます

 ただ、このインタビューの際に、不覚にも聞き漏らしてしまった大事な質問が一つ、ありました。

 それは、私のようなゲーム制作初心者に向けて、何かひと言アドバイスを、というものです。猛省しつつ後日改めてメールで林さんに伺ったところ、以下のように快く回答をいただきました。

「特に初めてだと自分のゲーム制作やそれに伴う作業だけに集中してしまいがちですが、並行して、新旧さまざまなゲームを自分でプレイしたり、ゲーム以外の趣味も興味を持って楽しむなどの継続的なインプットも重要です。視点も広がりますし、行き詰まった時に必ずヒントになるでしょう。また、テストプレイや日常を支えてくれる友達や家族、周りの人を大事にしてください。」

 とても丁寧で優しく、励まされる内容に、感謝を禁じえません。

 一方で、「これだけは」と忘れずにできた質問もあります。インタビューの最後に満を持して、しかしおずおずと投げかけたのは、こんな趣旨の問いかけでした。

「ナゴヤは首都になれるんでしょうか?(ボードゲームの)」

 林さんの答えが気になる方は、動画をぜひご覧ください。冒頭で思いっきりネタバレしていますので。それを受けて私からひとこと言わせてもらうなら…SdJ受賞者がそう言うんだから、もう確定で良いでしょう!

(※連載はまだ続きます)

小柳津心介整理部ウェブチーム写真

愛知県出身。2002年入社。高山支局、志摩通信部、長野支局、東海本社整理部、萩原通信局、名古屋本社デジタル編集部を経て現職。ボードゲーム好きで社内の同好会長を務める。林尚志さんが手がける「OKAZU brand」作品で好きなゲームは、重い順に「レイルウェイブーム」「ボムバスターズ」「金魚の商人」。X(旧ツイッター)アカウント

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