写真左からRoblox CDOの加藤匡嗣氏、CMOのJerret West(ジェレット・ウェスト)氏、Roblox Japan統括責任者のAri Staiman(アリ・ステイマン)氏。撮影:小林優多郎
メタバースプラットフォームを展開するRoblox(ロブロックス)は11月7日、日本でクリエイター向けイベント「Roblox Creator Series in Tokyo 2025」を開催した。
同イベントに合わせて、ロブロックスはメディア向けラウンドテーブルを実施。本国ロブロックスの最高マーケティング責任者であるJerret West(ジェレット・ウェスト)氏、最高デザイン責任者の加藤匡嗣氏、Roblox Japan統括責任者のAri Staiman(アリ・ステイマン)氏が登壇した。
ロブロックスは、デジタル空間で企業や個人が制作したゲームを遊べるプラットフォームだ。日間アクティブユーザーは全世界で約1億5000万人(2025年度第3四半期時点)。一方で、その巨大さゆえに安全性への懸念が連日取り沙汰されている。
ラウンドテーブルの内容から、同社の現状や日本でのビジネスについて解説する。
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日本では125%収益成長、ユーザー数は120%増
ロブロックスはユーザーが制作したゲームなどのコンテンツが集まっている。出典:Roblox
ロブロックスは広くゲームプラットフォームと認識されているが、同社幹部は「私たちはゲームを作らない」と話す。
実際、ロブロックス自体は遊べるコンテンツをほとんど制作していない。コンテンツやアバターの衣装などを作るクリエイターには開発ツールや収益プログラムを提供し、プレイヤーには制作されたコンテンツを楽しめる「場所」を提供している。
現在、ロブロックスには約700万種類以上の「体験」(制作されたコンテンツ)が公開されている。
2025年7月には、5つのコンテンツの合計で同時接続ユーザー数が100万人を超えた。また、クリエイターへの還元について、ロブロックスは2025年初に「今後12カ月で10億ドルをクリエイターに還元する」と発表していたが、実際には9カ月間で目標を達成している。
Roblox CMOのJerret West(ジェレット・ウェスト)氏。撮影:小林優多郎
ロブロックスのCMOであるジェレット氏は「ロブロックスほど収益化に向いたプラットフォームはない」と自信を見せた。
特に日本責任者のステイマン氏が着任した3年前から、同社は日本市場への投資やマーケティング活動を活発化させている。
既にビジネス面ではその影響が出始めている。同社のAPAC全体の2025年第3四半期における収益認識前の売上高(gross bookings)は、前年同期比110%増に対し、日本では同期間で125%増。
日間アクティブユーザーについては、2024年第4四半期ではロブロックスが本格的な日本展開を始めた2022年第4四半期と比べると120%増。そのうちロブロックスから収益分配資格を得たクリエイター数は415%増加しているとし、「日本が(APACの)成長をけん引している」(ステイマン氏)と説明した。
講談社が7月に公開したプレスリリース。出典:講談社
その背景には、日本の経済規模だけでなく、ゲームやアニメなどのIPホルダーやクリエイターが日本に多く存在するという「文化の土壌」がある。
そうした環境を生かすため、ロブロックス内には公式・非公式のさまざまなコンテンツが混在しているが、日本市場では積極的にパートナーシップを構築。講談社、電通、GeekOut、トランスコスモスなど、多様な日本企業と協力関係を結んでいる。
教育プラットフォームを目指すも安全性の懸念も
Roblox Japan統括責任者のAri Staiman(アリ・ステイマン)氏。撮影:小林優多郎
ゲーム体験を中心としたコンテンツが集まるロブロックスだが、冒頭の発言の通り、ゲーム事業が主ではなく「教育プラットフォーム」であることを度々主張している。
今回のラウンドテーブルでもステイマン氏は「教育に注力しているのではなく、私たち自身が教育そのものだ」と発言していた。

