2025年のベストゲームを決めるIGN JAPANゲーム・オブ・ザ・イヤー2025(IGN JAPAN GOTY 2025)。昨日は各部門の最優秀作を発表したが、本日はノミネートした20作の中から、1年間の最高の10本をランキング形式で紹介しよう。発表を始める前に、アワードの対象範囲と注意点を確認してほしい。

海外のゲームはローカライズ版の発売日を基準とする
海外では前から発売しているが、対象期間内に初めて日本語が適応されたタイトルも対象となる。これは『Butterfly Soup 2』が当てはまる。

日本語版が存在するゲームのみ
残念ながらまだ日本語版が存在しない『despelote』や『Blue Prince』などは対象外となる。

DLCは対象外

選出・結果はIGN JAPANのチーム全体で考えてものであり、レビューのスコアと一致するとは限らない。

10位『Öoo』

爆弾いもむしが、ふたつの爆弾を設置し、その爆風を利用してさまざまなエリアを踏破していくパズルプラットフォーマー、それが『Öoo』だ。ちなみに作者である生高橋は本作を「爆弾いもむし」と読んでいるが、読み方は何でもいいとのこと。

誰もが瞬時に理解できる簡単な設計と、3時間程度のクリアタイムでありながら、本作のパズルはとんでもなく奥深い。

メインゲームはきれいな導線によってプレイヤーを悦ばせつつ、シークレットで世界が一変する。一切のパワーアップやルール変更もなく、プレイヤーはいくつもの新テクニックを思いついていくことになる。この程度のシンプルなルールでまだ味がするのかと、何度も何度も膝を打つのだ。

ひらめきとロジックを交互に繰り出し、可愛い見た目の迷宮を解き明かしてみてほしい。――各務都心

本作はインディー素プリッツ賞、イノベティブ賞も獲得している。

9位『スプリット・フィクション』

『スプリット・フィクション』の“2人プレイ専用3Dプラットフォーマー”という特異な形態から生まれる体験は、前作『It Takes Two』から4年以上が経った今も唯一無二の輝きを放っている。数十分単位で遊びのアイデアが使い捨てにされていく贅沢な作りも健在であり、“2人プレイ前提”だからこそのギミックや演出がこれでもかと味わえる。

この独自性の強いベースは前作の時点で築かれていたものではあるが、「SFとファンタジーの世界を交互に行き来する」というテーマゆえに、その体験は前作以上に起伏に溢れるものになった。特に終盤における“本作だからこそできる演出”の数々は必見だ。ぜひ親しい友人とともに、一度きりの極上の体験を味わってほしい。――お茶缶

8位『モンスターハンターワイルズ』

「モンスターハンター」は死にゲーに属してもおかしくない、アクションゲームの中でも難しい部類のシリーズだが、『モンスターハンターワイルズ』では初心者でも遊びやすいように間口が広げられた。モンスターに傷を付ける要素がそのひとつで、弱点となった傷口を一気に破壊する「集中弱点攻撃」の導入で簡単に大ダメージを出せるようになった。傷口はハンターの戦い方に変化を生み出すきっかけにもなるので、ベテランにも楽しい要素だ。

ビジュアル面も素晴らしく、時間や天候に伴う生態系の変化は、ハイスペック環境が求められるものの圧巻だ。世界観にもより力が入っており、その土地の歴史、生物や植生の細かな情報も描くことで、ストーリーだけでなく世界観の考察を楽しむニッチなファンも満足させる。

本作の収集要素は初心者向けでコンプリートしやすいので、目標を消化しやすくボリューム不足や飽きを感じやすいことは否めないが、大型アップデートによる追加要素やシステムの改良で補われており、今後のさらなる成長にも期待したい。――馬淵寛昭

7位 HD-2D版『ドラゴンクエストI&II』

HD-2D版『ドラゴンクエストI&II』は伝統的な部分がありつつ、チャレンジングで新しい要素もあるリメイクだ。ストーリーは「勇者とはどのような存在なのか」を語り直す内容となっていて、「III」の続編として三部作の繋がりが強調されている。

本作で最も挑戦的なのは、「I」における1対多の戦闘だ。ストーリー上ではひとり旅をするのが無茶なことであるかのように描かれていて、実際に戦闘の難易度が高くなっている。ボス戦については、最初は負けるのを前提として敵の行動を覚え、その行動に対応していくパズルのような形である。準備も重要で、ボス戦のために用意した装備を戦闘中に付け替えながら勝てると、パズルのピースがハマったかのような快感がある。それはまるでソウルライクやデッキ構築RPGのような体験であり、古いゲームのリメイクながらも新しさを感じさせる。「II」のパーティ戦闘はやや魅力が薄れるものの、見逃すのはもったいないリメイク作だ。――重田雄一

6位『ELDEN RING NIGHTREIGN』

フロム・ソフトウェアが「ローグライト……?」、「3人協力のPvE……?」と驚いたユーザーも多いだろう。しかし、蓋を開けてみれば『ELDEN RING NIGHTREIGN』は「いつものフロム」だったと言えるだろう。眼前の敵を倒し、探索し、来るボスに備え、カチコミする。今度は3人で。

対3人のバランス調整は、『ファイナルファンタジーXIV』のようなギミックを採用するなど、本編とは異なるベクトルの苛烈さが待っている。1プレイ40分と短時間でキャラクターの育成・ビルドを仕上げるインスタントRPGを実現。

移動アクションは、より軽快で、「今回はお前が霊馬だ」と言わんばかり。見た目よりも軟派で実は間口が広い本作はフロム・ソフトウェアいちカジュアルな死にゲーと言えなくもない。

ただし、フロム・ソフトウェア初のローグライトとしては上々だが、このジャンルとしては物足りないところもあり、バリエーションの乏しさは否めない。マップは(DLCを除けば)たったのひとつで、ランダム変化も少ないし、永久的に成長できる要素もない。それでも多くの人が熱中してしまう理由は、ローグライトとして真新しすぎる本格的な3Dアクション×フロム・ソフトウェアの”挑戦的な”死にゲーを楽しめるからだろう。――野口広志

本作はマルチプレイ賞も獲得している。

5位『真・三國無双 ORIGINS』

強将との応酬で生まれるアクションゲーム的な快楽と、戦場を駆け巡って大局を制す戦術的な快楽とで、一騎当千のゲームプレイを磨き上げた快作『真・三國無双 ORIGINS』。

猛襲を一閃で切り返す「発勁」、無防備を晒した敵将に連撃を叩き込む「収撃」といったシステムが戦闘に緩急を与え、武将を討つ手応えをたしかなものにした。敵軍の猛攻「大戦法」を凌いだり、手持ちの兵士に「戦法」で突撃や斉射の命令を出したりと面での攻防もあり、大小さまざまな形で戦場で火花を散らすのも見どころ。雑兵たちは過去作の比ではない物量で戦場を埋め尽くすため、ひと薙ぎでそれらを吹き飛ばす気持ちよさもシリーズ随一だ。

物語においては、歴戦の武将らが主人公に惚れっぽい点は好みがわかれるが、オリジナルキャラとして「三国志」の世界に入り、君主の野望実現を間近で見ていく楽しみもある。総じて独自性が新境地を開拓したからこその魅力が根底にあり、それが大きな存在感を生み出している。――千葉芳樹

4位『インディ・ジョーンズ/大いなる円環』

カットシーン、ゲームプレイ、キャラクター描写、ロケーションなど、『インディ・ジョーンズ/大いなる円環』のそれぞれの要素がひとつになって魅力的な物語を生み出している。「アンチャーテッド」や「トゥームレイダー」といったインディ・ジョーンズに影響を受けたゲームの長所を活かしつつ、開発元MachineGamesの「Wolfenstein」のような現代シューターの良さまでも取り入れたコアのゲームプレイループも実に素晴らしい。

「インディ・ジョーンズ」特有の冒険心や軽妙なユーモアをしっかりと捉え、重厚なストーリーテリングとドタバタアクションの絶妙なバランスも実現することで、映画の魅力を完璧に再現していると言える。英語音声ではベテラン声優のトロイ・ベイカーがインディを演じており、その完成度はまるで原作の俳優であるハリソン・フォード本人が声を当てているかのように感じられるほどだ。

『インディ・ジョーンズ/大いなる円環』は、映画タイアップ作品としてはお手本のような出来だ。正直、最近の「インディ・ジョーンズ」の映画よりも良い。インディのファンにもそうでない人にも、ぜひプレイしてほしい一本だ。――ロブソン・ダニエル

3位『Ghost of Yōtei』

オープンワールドの定番的諸要素を日本風の世界観で作りこみ独自の体験として再構築した『Ghost of Tsushima』の正当な進化系と聞けば、『Ghost of Yōtei』のゲームプレイもおのずと想像できる。しかし映像的なルールを遵守した演出と優れたレベルデザイン、そしてシームレスなイベント設計の徹底は、実際のところ本作に単なる続編以上の価値を与えている。

ゲームプレイを開始したその瞬間から、プレイヤーは緻密に計算されたきわめて受動的なプロセスを、ゲームらしい能動的な、自発的なプレイの結果として受容することになるだろう。それはもはや映画的体験をゲームプレイとして完璧に落とし込んだとも形容できる達成で、多様化し今や映像作品との垣根もあいまいになりつつある2025年のビデオゲームの現在地においては『Ghost of Yotei』の示したものは極めて大きいと言えるだろう。――山田集佳

2位『SILENT HILL f』

『SILENT HILL f』は60年代の日本の山奥の村「戎ヶ丘」という興味深い舞台と、男尊女卑の時代において力強く生きていこうとする主人公・雛子の意思とそのブレを見事に描いた。人間社会の闇や精神の崩壊を巧みに描いた本作はゲームとして珍しく、しかしどこまでも「SILENT HILL」らしい文学的価値をもった作品と言える。

だが、『SILENT HILL f』はほかの芸術に媚びることなく、ゲームであるが故に素晴らしく、そして歪な作品だ。祠に余った物資を奉納するリソース管理システム、主人公の心情をアクションに反映した精神パラメータ、中盤で劇的に変わる主人公の能力、そして周回プレイを前提にしたストーリーテリング。そのすべてが必ずしも完璧ではないとはいえ、野心的かつ挑戦的な姿勢が我々に新しいゲーム体験を与えてくれた。

彼岸花や霧に覆われた街の不気味な世界観、声優・加藤小夏によって命の吹き込まれた主人公、山岡晃による昭和の音。『SILENT HILL f』はすべてにおいて特筆すべき要素をもった作品で、GOTYで上位にランクインするほか、様々な部門賞を獲得したのも納得だ。――クラベ・エスラ

本作はストーリー賞、ビジュアル賞、サウンドデザイン賞、ワールドビルディング賞も獲得している。

1位『Clair Obscur: Expedition 33』

JRPGに慣れ親しんだ人からすると『Clair Obscur: Expedition 33』がGOTYに輝くのは意外に思えるかもしれない。なぜなら、本作を構成する要素は過去のJRPGでも見たことがあるものが多いからだ。だからこそ、本作は素晴らしいのである。

フォトリアルながらもフィクションらしい大胆さを併せ持つビジュアル。大筋はJRPGらしいが人外との友情や大人の恋愛を盛り込んだストーリー。ターン制コマンド選択式ながら極めて遊びやすく整備したバトル。そして乱数による回避といった曖昧な部分を、パリィという現代のビデオゲームらしい遊びに置き換え、プレイヤーに緊張や興奮を与えることに成功している。

本作は「JRPGでありながらJRPGではない領域」にたどり着いている。守破離で言うところの“破から離の狭間”あたりで、JRPGの新たな可能性を見せているのだ。

開発チームにその意図があるかどうかはさておき、視点を変え慣習を見直し、ジャンルを進化させた見事な作品だと解釈できるのである。――渡邉卓也

本作はゲームデザイン賞、サウンドトラック賞も獲得している。

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