現在、優れたゲーミング体験を提供する「Linux」ディストリビューションが複数登場している。これらのディストリビューションは、「Steam」などのサービスを介してゲームをプレーするために必要なソフトウェアをあらかじめ含んでいるだけでなく、セットアッププロセスを大幅に簡略化している。そのため、ユーザーはわずか数回のクリックで、お気に入りのゲームをすぐに楽しみ始めることができる。
ユーザーフレンドリーなインストーラーを備えているため、コマンドラインを操作する必要さえない。あまりに話ができすぎていると感じるかもしれないが、「PikaOS」に関しては事実である。筆者はこの「Debian」ベースのディストリビューションを実際に試し、その動作を確認した。
筆者がまず感銘を受けたのは、インストールのプロセスである。簡略化されたOSインストーラーが完了した後にシステムを再起動すると、すぐに標準的なユーザー作成画面が表示された。
続いて、オンボーディングツールによって、ゲームやマルチメディアの再生に必要なドライバーとコーデックのインストールが進められた。さらに、セットアップの過程で「PikaOS Gaming Meta Package」のインストールを促されたため, 筆者は迷わずこれに従った。メタパッケージのインストール完了後、再び再起動を求められた。
ログインすると「Welcome」アプリが起動し、プリンターのサポート追加や外観の設定、トラブルシューティングのヒントといった、さらなるセットアップ手順が提示された。
ようやくたどり着いたPikaOSのデスクトップは、遊び心のある魅力的なデザインだった。このOSは「GNOME」デスクトップを採用しており、アプリケーションオーバーレイを開くと、以下のようなゲームに特化したアプリがインストールされていることが確認できた。
PikaOS Kernel Manager
ProtonPlus
Steam
Wine Control Panel
Wine Prefix Configuration
Wine Windows Runtime
Winetricks
Lutris
Heroic Games
PikaOSが掲げる「箱から出してすぐにゲームができる」という主張に偽りはない。Steamをクリックすると、通常通りの自動アップデートが実行され、ログイン画面が表示された。筆者は、Steamを使用して引き続き検証することにした。アプリ内からゲームを追加し、起動を試みた。
なお、ゲームのダウンロードサイズは非常に大きくなる場合があるため、完了までには時間を要する。今回の検証では、Vulkanシェーダーの処理がいつまでも終わらないように感じられたが、これがSteam側のサーバーの問題か、あるいはインターネットサービスプロバイダー(ISP)に起因するものかは不明である。2025年のクリスマス休暇直後の混雑が影響していた可能性もある。
いずれにせよ、PikaOSのパフォーマンスは、筆者がこれまでテストしてきた他のゲーム特化型Linuxディストリビューションと遜色ないものだった。テスト用として常用している「Albion Online」を起動した際、多少のラグが発生した。しかし、これは5GBのRAMと2つのCPUコアを割り当て、物理GPUを搭載していない仮想マシン環境で実行していたことが原因だろう。
また、アンチチート機能の問題により、このゲームを長時間プレーできなかった。それでも、テストした数分間において、PikaOSは良好な動作を見せた。
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