ゲームチェンジャー級の技術と完成度
アストン マーティンのグランドツアラー、DBの歴史は1948年に始まった。世代交代を重ね、12年続いたDB9を置き換えるべく2016年に登場したのが、DB11。マレク・ライヒマン氏によるボディをまとい、親会社がフォード時代だったV12エンジンを載せて。
同社が掲げた「セカンドセンチュリー」プランの最初のモデルとなったDB11は、新開発のアルミ製プラットフォームを採用。電動パワーステアリングやマルチリンク式リア・サスペンション、ブレーキ制御のトルクベクタリングなど、新技術が満載だった。
アストン マーティン DB11(2016〜2023年/英国仕様)
5.2L V12ツインターボが発揮した当初の最高出力は、608ps。信頼性が高く、改良が重ねられ、今でもモダンユニットとして問題なく通用する。クルマの完成度も高く、2017年のAUTOCARは、ゲームチェンジャー5台の1台としてDB11を選出している。
それから年月が過ぎ、DB11は新車のBMW M2やアルピーヌA110と同等のお値段で探せるようになってきた。コンバーチブルのヴォランテも、魅力的なチョイスだろう。
印象的にリーズナブルなグランドツアラー
2017年には、メルセデスAMG由来の4.0L V8エンジンが追加。最高出力は510psだが車重は115kg軽く、太いトルクを活かした0-100km/h加速は4.0秒と、V12ツインターボより0.1秒しか遅くなかった。燃費は、10.1km/Lと1割ほど優れる。
V8エンジンのDB11では、サスペンションとステアリングを再チューニング。操縦性や快適性も向上している。2018年にはV12エンジン版もシャシーがアップデートされつつ、639psへ上昇。2021年には、V8エンジンの最高出力が535psへ向上している。
アストン マーティン DB11 ヴォランテ(2018〜2023年/欧州仕様)
インテリアは、年式を考えると少々クラシカル。現在のアストン マーティンのように、メルセデスAMG譲りのインフォテインメント・システムは実装されていない。DB12へ交代する2023年には、タッチモニターの反応が遅く感じられたことは否めない。
それでも、レザーとウッド、アルカンターラで満たされた豪奢な内装は、概ね素晴らしい。中古車として、改めて内容を考えれば、印象的にリーズナブルなグランドツアラーだと表現できる。DB12の影響で、しばらくは値上がりもしないだろう。
新車時代のAUTOCARの評価は?
正真正銘の、素晴らしいアストン マーティンが誕生した。V12エンジンの豊かなサウンドに、かつてないスピード。動力性能は、ポルシェ911 ターボSに迫るほど。長距離の快適性も歴代屈指といえ、ブランド最大の進歩といっていい。(2017年6月14日)
アストン マーティン DB11(2016〜2023年/英国仕様)
画像 今ならBMW M2のご予算で アストン マーティン DB11 最新DB12 オープンのヴォランテも 全102枚