Googleが3Dの仮想環境を簡単に生成できるAIモデルの「Project Genie」を発表したところ、ゲーム関連企業の株価が軒並み下落したとロイターが報じています。

Videogame stocks slide on Google’s AI model that turns prompts into playable worlds | Reuters
https://www.reuters.com/business/videogame-stocks-slide-googles-ai-model-that-turns-prompts-into-playable-worlds-2026-01-30/

Video game company stock prices dip after Google introduces an AI world-generation tool | The Verge
https://www.theverge.com/games/871348/google-project-genie-take-two-roblox-unity

現地時間の2026年1月29日、Googleは世界モデルの「Project Genie」を発表しました。Project Genieはテキストを入力するだけで3Dの仮想空間を生成することができる世界モデルの「Genie 3」、画像生成AIの「Nano Banana Pro」、生成AIの「Gemini 3」を組み合わせたウェブアプリで、ユーザーは生成した仮想空間を自由に探索可能です。

Googleが独自のインタラクティブな仮想世界を作成・探索できる「Project Genie」をリリース – GIGAZINE


Project Genieが生成した仮想空間とインタラクションするエージェントは、記事作成時点では限られた範囲のアクションしか実行できず、同じ仮想空間内の複数のモデルもインタラクションに問題を抱えています。また、Project Genieは判読可能なテキストのレンダリングに問題があり、現実世界を正確にシミュレートすることもできません。

それでもテクノロジーメディアのThe Registerは、「Googleは汎用人工知能(AGI)開発より先にゲーム業界でのGenieの活用を検討しています」と指摘。

実際、Googleの広報担当者はThe Registerに対して、「Genieはゲームエンジンではないため、完全なゲーム体験を作り出すことはできませんが、創造のプロセスを強化し、アイデアの創出を促し、プロトタイプの作成を加速させる可能性を秘めていることに興奮しています」と語ったそうです。


ロイターはProject Genieの発表でゲーム企業の株価が大幅に下落したと報じています。報道によると、人気ゲームシリーズ・グランド・セフト・オートなどを販売する大手ゲームメーカーTake-Two Interactiveの株価は10%、月間アクティブユーザー数3億8000万人のゲームプラットフォーム・Robloxの株価は12%、ゲーム開発プラットフォーム・Unityの株価は21%も急落しました。

ロイターはProject Genieについて、「テキストやアップロードされた画像による指示を通じて、ユーザーが現実世界の環境をシミュレートすることを可能にするというAIモデルであるため、過去10年以上にわたるゲームの制作方法に革命をもたらし、急速に進化する技術への適応を開発者に迫る可能性があります」と指摘。

従来、ほとんどのゲームは、ゲーム内の重力、照明、サウンド、オブジェクトやキャラクターの物理演算といった複雑なプロセスを処理するために、Epic GamesのUnreal EngineやUnityといったゲームエンジンを活用してきました。

ニューヨーク大学の経営大学院でゲーム学の教授を務めるヨースト・ファン・ドリューネン氏は、「AIベースのデザインが、単に従来のワークフローを加速させるだけでなく、独自の体験を生み出し始めると、開発と成果に真の変革が起こるでしょう」と語っています。

また、ロイターは「一部のプレミアムタイトルは開発に5〜7年という長い時間と、数億ドル(数百億円)という莫大なコストがかかります。Project Genieは長期にわたる開発サイクルを短縮し、コストを削減する可能性も秘めています」と指摘しました。

大手企業が支配する競争の激しいゲーム業界において、ゲーム開発者は差別化を図る手段として、AIの導入を進めています。2025年のGoogleの調査によると、ゲーム開発者の約90%がAIエージェントを活用しています。

Googleの調査結果から「ゲーム開発者の90%以上がすでにAIを活用している」ことが明らかに – GIGAZINE


ただし、ゲーム配信プラットフォームであるSteam上で生成AIの使用を公表しているゲームは全体の7%、2025年にリリースされたタイトルだと約20%が生成AIを使用していることが明らかになっています。

Steamで生成AIの使用を公表しているゲームは全体の7%に当たる7818本、2025年リリースのタイトルは最低でも約20%が生成AIを使用している – GIGAZINE

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