米エピックゲームズCEO・ティム・スゥイーニー氏インタビュー
2026年2月10日 4:45
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Photo by Yoko Suzuki
スマホアプリストアのプラットフォーマーによる独占を禁止する通称スマホ法が施行された。だが、実際には独占が解消されたとは言い難い状況が残る。連載『沸騰!エンタメビジネス』の本稿では人気ゲームFortniteの開発元米エピックゲームズCEOのティム・スゥイーニー氏のインタビューを取り上げる。アップル、グーグルとの法廷闘争の末に、今何が起こっているのか。(ダイヤモンド編集部 鈴木洋子)
スマホアプリストアの「独占」は崩れるのか
スマホ新法施行でどう変わる
2025年12月18日、スマホ新法(特定スマホソフトウェアの競争促進に関する法律)が全面施行された。米アップルや米グーグルのような巨大プラットフォーマーの市場支配的行為を制限し、公正な競争を促進することを目的としたもので、規制の対象は「OS」「アプリストア」「ブラウザー」「検索エンジン」など、スマホの基本ソフト・サービス群が軒並み含まれる。
アップルとグーグルは同法により規制対象として位置付けられた。特に、これまで閉鎖的なエコシステムで知られたアップルは、App Store以外のサードパーティ製アプリストアの導入を許可し、OSアプリ内でアップル以外の代替決済手段を提供可能としたほか、App Storeで提供されるデジタル商品の課金手数料の引き下げを含む新たな料金体系を導入した。
iOSの新しいアップデートで、ブラウザーと検索エンジンのデフォルト選択画面が表示されるようになった。これはスマホ新法への対応によるものだ。
グーグルによるアンドロイドスマホに関しても、同様の対応が取られている。
ゲーム・アプリメーカーにとって、長年このスマホプラットフォーム内部での課金システムは悩みの種だった。ストア内で自社のアプリを流通させるにはプラットフォーマーが定めた料率に従い一定のフィーをプラットフォーマー側に支払う必要がある。さらに、自社独自にプロモーションやマーケティングを行ったりして独自に集客することもできない。
スマホ新法はこうした足かせを外すことが目的として制定された。すでに、アプリ外決済を「ドラゴンクエストウォーク」など主要スマホアプリで導入しているスクウェア・エニックス・ホールディングスでは、26年3月期の上半期末時点でのスマホアプリ事業の営業利益率が25年3月期末から14ポイントアップの25%にまで改善するなど、ゲーム会社の業績にも影響が出てきている。
一方、こうした法改正によるアップルの対応に対して激しく非難を続けるのが、エピックゲームズのティム・スゥイーニーCEOである。月間アクティブティブユーザー数で世界のベスト3を誇るゲーム「Fortnite」および世界最大のゲームエンジンである「Unreal Engine」の開発元である同社は、20年からアップルとグーグルを相手取り法廷闘争を続けている。
次ページからは昨年11月にイベントで来日したスゥイーニー氏のインタビューとその後の発言をひもときながら、スマホ新法と巨大プラットフォーマーとの攻防を俯瞰してみよう。「アップルは日本の政府と国民を甚だしく冒瀆している」とさえ言うスゥイーニー氏。スマホプラットフォーム「開放」の実態はどうなっているのか。
