Microsoftのゲーム部門(Microsoft Gaming)を統括してきたフィル・スペンサー(Phil Spencer)氏の退任が発表された。スペンサー氏に代わり,アーシャ・シャルマ(Asha Sharma)氏がゲーム部門の新たな最高経営責任者(CEO)および執行副社長(EVP)に就任する。
It’s rare in life to know when a chapter is closing, but after 38 years at Microsoft, that moment has arrived for me. I’ve made the decision to retire and begin the next chapter of my life. It’s a milestone that’s given me a chance to reflect on the incredible journey I’ve been…
— Phil Spencer (@XboxP3) February 20, 2026
また,スペンサー氏と共にゲーム部門を率いてきたXbox Game Studiosのマット・ブーティ(Matt Booty)氏は最高コンテンツ責任者(CCO)および執行副社長に昇格し,サラ・ボンド(Sarah Bond)氏はMicrosoftを離れるとのこと。
MicrosoftのCEO兼会長を務めるサティア・ナデラ(Satya Nadella)氏は,ゲームは創業当初から事業の軸であり,Windowsのリリース前,すでに「Microsoft Flight Simulator」を開発し,1990年代の「DirectX」から現在の処理技術に至るまで,歩みは続いていると述べる。
そのうえで,Microsoftに在籍して2年になるシャルマ氏は,インスタカートの最高執行責任者やMetaの副社長を歴任するなど,日々,数十億人が使うサービスを育ててきた経歴を持つ人物で,事業を大きくした経験を持つことがゲーム部門の次の成長を導く鍵になると語る。
フィル・スペンサー氏(Xbox Wireより)
退任するスペンサー氏は,1988年に入社して以来38年間にわたりMicrosoftに在籍し,うち12年間はゲーム部門のトップを務め,Activision BlizzardやZeniMax,Mojangの買収などを通じて,ゲーム事業の規模を約3倍に拡大した実績を持つ。退任は自らの意向によるもので,2026年夏までアドバイザーとしてMicrosoftに留まり,移行作業を終えるとのこと。
シャルマ氏は社内向けの声明で,ゲーム部門の方向性を3つの柱で示している。1つめはゲームそのものの作り込みで,記憶に残る登場人物や心を動かす物語など,プレイヤーが愛着を持てる作品作りを最優先事項に据え,新しい分野にも恐れず踏み出すとしている。ブーティ氏の昇格も,ゲーム作りを支えるための人事だという。
2つめの柱として,長年事業の基盤となってきた「Xbox」というゲーム機そのものへの原点回帰を挙げる。据え置き型ゲーム機を軸にしつつ,PCやモバイル,クラウドといった異なる機器の間で,プレイヤーが壁を感じずにゲームを楽しめる環境を整える方針だ。
最後は,新技術への向き合い方で,収益を急ぐあまり,中身のないAI生成物を市場に溢れさせることはしないと明言する。ゲームは人が手作業で作る芸術だという考えを保ちつつ,技術はあくまで作り手を支える道具として使うといった姿勢を示している。
傘下にあるおよそ40のゲームスタジオの扱いについてブーティ氏は,現状の組織体制を変更する予定はないと説明しているが,新体制下での具体的な新作や事業展開については,現時点では明らかにされていない。

