
「取り替え子などという悪戯は、フェイによる支配が終わると同時に、過去の伝説になったものだと思っておったぞ…ある日の公演の後、あの元気な冒険者に出会うまではな。彼女は世界各地にいるいろんな生物たちの不思議な声を届けてくれた。北のカタブツどもと違って、なんとも面白いやつじゃ!」
——コロレフスキー劇団プリマドンナ ヴォジャニーツァ

◆名前:リンネア
◆称号:博聞の旅路
◆冒険者協会顧問
◆月の輪:岩
◆命ノ星座:予見鳥座

この世界に生まれたばかりの子供たちは、得てして自分が世界の中心だと思い込むものだ。そして自分と世界との隔たりに気づいた時、幼少期は終わりを告げる。しかし、人間社会で暮らす「人ならざる子供」の場合はどうだろうか。その道のりは、さらに険しいに違いない。
ナド・クライは、風変わりな人々や魔物にとっての天国だ。ホラガイ団の子供たちは一定の年齢になった大人以外はすべて受け入れるし、冒険者協会に依頼する人々は依頼を受けてくれる側の出自など気にしない。つまり、本当の困難とは、常に自分自身から生まれるものなのである。ナシャタウンの子供たちも、いつかは大人になって世界から与えられた役割を受け入れる。無数の選択肢が存在するように見えた数多くの道の中で、運命で定められた足跡を辿るのだ。無限の世界は、こうしてやがて一つへと収束する。
しかし、リンネアにはそのような選択ができなかった。彼女のそばには、あの「最も重要な問題」の答えに導いてくれる人が、誰一人いなかったからだ。
しかし…幸い、世界はこんなにも広い。テイワット大陸には七つの国があり、スネージナヤの凍土にはよく見られるものだけで六種類ものフェイがおり、七色の光が存在する。雲の湧き上がる山の頂や海の中にも、美しく奇妙な生命と知られざる生態系、数多の秘境が存在している。この世界のいかなる図鑑に収録されておらず、既存の枠には分類できないものたち——それらは、無限の可能性を秘めている。
かくしてリンネアは冒険の旅に出た。絶えず冒険を続ければ、運命に追いつかれてしまう前に、すべての道を辿ることさえできるかもしれない。
それはリンネアならではの、この世界と繋がるための方法であった。
