『ぽこ あ ポケモン』にて“電卓”を作り上げたXユーザーのたるの氏が国内外で注目を集めている。同氏は別のユーザーが作成した「クロック回路」に感化されたそうで、まずは「カウンター回路」を作成。さらに『マインクラフト』のプレイ経験や論理回路の知識を活かし今回の“電卓”を作り上げたそうだ。
『ぽこ あ ポケモン』は、ニンゲンのすがたにへんしんしたメタモンが主人公のスローライフ・サンドボックスゲームだ。舞台となるのは、かつて多くのニンゲンとポケモンたちが暮らす街があったものの、ニンゲンもポケモンもすっかりいなくなった世界。プレイヤーは長い眠りから目を覚ましたメタモンとなり、木や石などを材料にして道具や家具などを作成。また建物を建て、環境を整備し、ポケモンたちが住みやすい場所を作り上げていく。

3月5日に発売された本作にて、さっそく本格的な回路を作り上げたユーザーが次々と現れ、注目を浴びている。まず3月13日にはVTuberのKYU氏がクロック回路を作成して紹介する動画を投稿。作中の「センサー」を活用し、周期的な信号を作り出す回路が生み出されていた(関連記事)。
さらにこの動画に感化されたというXユーザーのたるの氏が、同日中に「カウンター回路」を作成。こちらはボタンを押すと、エリア内におびただしく配置されたフタつきまど・じめんとドアが駆動し、0~7までを順番に表示できる回路であった。センサーも多数配置されており、最終的には“8の字”に配置されたミラーボールが数字のように光ることでカウントされる仕組みとなっていた。
そして3月20日にたるの氏は“電卓”を作成したことを報告。1桁の足し算が可能だそうで、動画では「1+1=2」「9+1=10」の計算がそれぞれ遠方の“画面”でミラーボールが光ることで映し出されている。左側と右側にいずれも10個のボタンがあり、ボタンはそれぞれ0~9に対応しているようだ。そして真ん中のボタンを押すことで、計算がおこなわれるようになっている。ちなみにボタンの前にはポケモンの写真を映し出したテレビが置かれており、フシギダネ・フシギソウ・フシギバナが1・2・3に対応しているといったこともうかがえる。
ちなみにたるの氏は電卓について回路の全貌も披露しているものの、どのような知識が応用されて生み出されたのかも気になるところ。このたび弊誌はたるの氏に話を訊いてみた。
──カウンター回路はKYUさまのクロック回路に感化されて作られたとのことですが、どのように応用されて動いているのでしょうか。
たるの氏:
KYUさまの投稿を見た時に初めて『ぽこ あ ポケモン』にセンサーがあることを知りました。またKYUさまの投稿を見て水が「ない・ある」で「0・1」の動きがあるなと感じました。実際にセンサーはどのような物を検知してどのような物を動かすことができるのか色々試していく間に、ドアとセンサーを使うことで出力を遠くまで伝えることができるとわかりました。
──なるほど。では「電卓」においては、加算器部分をどのように実装されたのでしょうか。
たるの氏:
電卓の加算器部分は論理演算などで使われる全加算回路と半加算回路を使いました。入力した2つの一桁の数字を2進数に直して足しています。半加算回路はOR回路とAND回路とNOT回路を組み合わせれば作れたので、水が流れて来たことをセンサーで検知して出力するようにしていました。
本作ではドアで水をせき止められますが、ドアが開いている状態では水が流れるようになります。そしてセンサーは「動いた物体」を感知して周囲のオブジェクトを起動させ、これは水にも反応します。センサー前を水が通過すると、センサーが反応し、周りに置いたドアが起動したり、その起動したドアに再度センサーが反応してドアが閉じたりします。そうして“一瞬だけ水が流れる”といった現象などが起こるわけです。この仕組みを活かし、「両方のドアが開かないと水が流れない」「どちらかのドアが開けば水が流れる」などの機構を準備してAND回路やOR回路を作りました。
──かなり本格的……カウンター回路や電卓については制作のスピードも凄いですが、過去のご経験も活かされているのでしょうか。
たるの氏:
自分は昔に『マインクラフト』というゲームでレッドストーンを使って回路を組むことがありました。今回のセンサーを見た時にレッドストーンのような動きをしていると思い、センサーで遊んでみることにしました。また昔からプログラミングに興味を持って実際にプログラムしてみたり、高校で論理回路を習っていたりしたので電卓を早く作ることができたと思います。
──総制作時間はどれほど要したのでしょうか。
たるの氏:
電卓についてはカウンター回路をアップロードして反響があったときに引用リポストで電卓についての言及も多かったので作ってみることにしました。そのためカウンター回路をあげてからすぐに電卓に取り組み始めて、大体45時間かかりました。センサーやドアを作るための素材集めなどもあるため、少し時間がかかってしまったと思います。自分は学生で春休みなこともあったので時間には余裕がありました。
──素材集めも込みでそんなに素早いとは……!ご経験と知識が活かされて生み出されたのですね。ありがとうございました。
発売前から“レッドストーン回路風”の仕組みがあるのではないかと注目を集めていた『ぽこ あ ポケモン』(関連記事)。発売後からさっそくコミュニティでは回路の研究もヒートアップしており、ポケモンたちの世界にどのような技術革新が訪れるのかは今後も注目される。
『ぽこ あ ポケモン』はNintendo Switch 2向けに発売中だ。
