UNDERTALE 10th Anniversary Concert 2026.2.14(SAT)東京芸術劇場コンサートホール

こちらに寄稿させて頂きますのは初めましてになりますでしょうか。庄村聡泰と申します。貴重なご機会を賜り、心より嬉しく存じております。

っつうわけでここからはいつも通りの文体にてやらせて頂きます。此度こちらでお届けするのは2015年に発売されたトビー・フォックス制作によるアメリカ合衆国のRPGゲーム『UNDERTALE』の『10th Anniversary Concert』。細部に至るまで精巧に組み上げられた緻密なストーリー構成で発売10年を超えて未だに世界中で愛され続ける本作であるが、そちらの劇中BGMをバイオリン/ビオラ奏者である河合晃太主催の演奏団体「MUSICエンジン」がオーケストラ化。2月14日に東京芸術劇場コンサートホールにて行われた公演での体験を、なんとか活字化してみようという試みである。

MUSICエンジン 河合晃太代表

MUSICエンジン 河合晃太代表

さて、本稿読者、と申しますか #ショウムライター なる名義にて各所で執筆をさせて頂いております私のことをご存知頂いている方であれば、ロックがお好きな方であると仮定してよろしいかとは存じ上げるのですが、みなさん、ゲーム音楽はお好きですか? 少々のとはずがたりで恐縮であるが自分は昔からゲーム音楽が大好きで、『ストリートファイターII』、『ロックマン』、『ソニック』、FF(『ファイナルファンタジー』)、『電脳戦機バーチャロン』などなどはいわゆるガキの頃から今に至るまで本当にしょっちゅう聴き返しては、勇気と元気をもらっている。最近、とはいえ2017年発売のゲームなのであるが『カップヘッド』という作品のサントラなんかもめちゃくちゃに聴いております。

少々ゲーム本編のネタバレを挟んでしまう形をどうかお許し頂きたいのであるが『UNDERTALE』については劇中最良のエンディングを迎える通称Pルートラスボス戦の「夢と希望(Hopes and Dreams)」という楽曲に1発で心を打ち抜かれた。冒頭のストリングスが奏でるたった3音、こちらに完全にしてやられてしまったのだ。冒頭のたった数音だけでやられてしまったで言えば、自分の中ではLUNA SEAの「DESIRE」や「gravity」、THEE MICHELLE GUN ELEPHANTの「スモーキン・ビリー」や「ブギー」、Mr.Childrenの「名もなき詩」など邦楽のバンドものだけでも枚挙にいとまがないのであるが(ゲーム音楽だとそれこそ有名なFFのメインテーマとかね。あれヤバいよね。泣いちゃうよね)、それレベルの衝撃的な邂逅となってしまった。この楽曲は一生聴いちゃうんだろうな、なんて確信めいたものが、そこには鳴っていたのだ。先述の冒頭3音から始まるリフからドラムのフィルインを契機として一気に走り出すバンドサウンド、ストリングスで鳴らされていたリフはゲームミュージック的なピコピコシンセが受け継ぎ、ヒロイックなメロディへと昇華されていく。そのメロディと狭間に鳴らされるこれまた印象的、というかカッコ良すぎるオブリの数々がストリングス、シンセ、エレキギターと手を替え品を替え、ドラマチックにこちらの耳を、心を、身体を、熱く奮い立たせてくれるのだ。

そちらに繋がるラスボス後半戦楽曲である「Save the World」は「夢と希望(Hopes and Dreams)」のメロディをアレンジしてさらに熱く展開(なんならテンポもちょっとだけ上がっている様に聴こえる)させてくれるもんだから、もう、そこに語彙力なんてものが及ぶべくもなし。“なんとか活字化してみようという試みである”だなんて弱気な記述を先にさせて頂いているのにはそんな理由があったわけだ。

コンサートはゲーム本編のストーリーに則って組まれたプログラムであったのでこの2曲が演奏されたのはまさに終盤。それまでの楽曲に本編で起こるあれやこれやに思いを馳せつつ、なんならステージ上方には『UNDERTALE』のシンボルである粗めのドットのハート、そちらがモニターとなりイベントやバトル時の映像を流したりまでしてくれるのだから、コンサートホールの圧倒的な音のサラウンド感も相まってその体験は極上、至高の没入感であった。プログラムは進行し、そしてついにその瞬間。「夢と希望(Hopes and Dreams)」のイントロが鳴らされると……

気付けば、涙が流れていた。いや、気づかないうちに、溢れ出ていたのだ。

シームレスに繋げて演奏された「Save the World」の頃にはなんかもう涙腺の蛇口的なものがぶっ壊れてしまっていたことも恥ずかしながら追記しておく(笑)。

『UNDERTALE』という作品のどういったところに自分が強く惹かれたか。その由縁は、ゲームを構成する全ての要素に巧妙な伏線が張られており、複数存在するエンディングに向けてそちらが次々と、極めてドラマチックに回収されていく、気持ちよさだ。そう。ストーリーのみならず楽曲面もそういった作りとなっており、レポートそっちのけで語りまくっている「夢と希望(Hopes and Dreams)」はオープニング曲である「むかしむかし…(Once Upon a Time)」のアレンジであり、ストーリーのひとつの確信に迫らんとするシーンでの楽曲「Undertale」のアレンジでもあり、

Pルートエンディング後のスペシャルサンクス時に流れる「これでホントにサヨナラ(Last Goodbye)」も言わば当曲のアレンジ。冒頭3音から始まるリフは実はゲーム本編オープニングから何度も登場していたのである。しかもそれはリフを奏でる楽器、テンポ、雰囲気、使用されるシーン全てに至るまでのアレンジが加えられているので、一聴したくらいでは同じリフを使用しているものとはひょっとしたら気付けないかも知れない程。それが、こんなにも違った効果、作用を生み出せるだなんてと心からの驚嘆、感動を味わった次第であり、それを把握した状態、かつ先述の没入感、からのその瞬間、である。繰り返しになってしまうが、そこに語彙力なんてものが及ぶべくもなく、なので私はその感動を言葉ではなく、意図せずの涙で表現した、というわけだ。

どうだろう。ここまで書けば、そんな音楽、聴いてみたくならないだろうか? そんな体験、してみたくならないだろうか? ゲームをプレイし、サントラを聴き込み、今後予定されている公演に、足を運んでみたくならないだろうか?

これはもはや単なるゲーム音楽のオーケストラ化だなんて代物ではない。ゲームを愛し、ストーリーを愛し、BGMを愛し、それを別の形で立体化させるという、体験型総合芸術である。

取材・文=庄村聡泰

同公演は、2026年4月から新たなプログラムで再構築する『UNDERTALE 10th Anniversary Concert FINALE』の開催が全国6都市で決定している。ついに迎える最終公演を前に、MUSICエンジンの河合晃太代表に庄村聡泰がインタビュー。その模様は後日お届けする。

ツアー情報

10周年記念コンサート『UNDERTALE 10th Anniversary Concert FINALE』
 
出演: MUSICエンジン
 
公演日程・会場:2026年
・千葉 4月5日(日)千葉県文化会館 大ホール
・静岡 5月2日(土)三島市民文化会館 大ホール
・大阪 5月4日(月・祝) NHK大阪ホール
       5月5日(火・祝) NHK大阪ホール

・山形 5月9日(土)シェルターなんようホール(南陽市文化会館)

【東京・千葉・大阪公演】 公演事務局 0570-200-114 (12:00~17:00/土日祝除く)
【静岡公演】静岡朝日テレビ イベントプロデュース部
   054-251-3302(月~金 10時~17時30分 ただし祝日は除く)

【石川公演】サンライズプロモーション北陸 025-246-3939(火〜金12:00〜16:00/土曜日10:00〜15:00)
【愛知公演】メ~テレ 052-331-9966 (平日10:00~18:00)
 
企画・制作: MUSICエンジン
協力: ハチノヨン (8-4)
Special Thanks Toby Fox / Fangamer
主催: UNDERTALE 10th Anniversary Concert 製作委員会(東京・千葉・大阪)/
メ~テレ(愛知)/静岡朝日テレビ(静岡)

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