『Clair Obscur: Expedition 33』が高く評価されている理由として考えられる3つ目の要素は、“ゲーム業界に対して前向きな希望が感じられるゲームだから”です。ひとつ目、ふたつ目と比べると抽象的に感じられるかもしれませんが、いま本作を支持している人の心境として、こういう観点を持っている人は少なくないように思います。
日本で暮らしていると実感が薄くなりがちな近年における海外ゲーム業界の状況として、度重なるゲーム開発スタジオの閉鎖や所属スタッフのレイオフ(業績悪化にともなう従業員の解雇)があります。
日本企業は法律が抑止力になり、“いきなりの有無を言わさぬ解雇”といったことはほぼ起きません。けれど、もし「いつ首を斬られるかわからない」という状況だったなら、“確実に売れるであろうゲーム”以外を作ろうとする冒険は、なかなかできないはずです。
“The Game Awards 2025”のノミネート作品を見渡すと、インディーゲーム関連の部門賞を除けば、“有名シリーズの正当続編”がかなり目立ちます。すべての続編タイトルが“利益のために手堅く作ったゲーム”だとは言いませんが、そうしたタイトル以外が生まれづらい状況になりつつあるのは事実ではないでしょうか。
