長野県の飯綱町は、町内小学生による3Dアート作品の巡回展示を実施している。本展示は、プログラミング講座「いいづなデジタルスクール」の成果発表の場として企画されたもので、教育版Minecraftを活用したデジタル制作物を3Dプリンターで実体化した作品が公開されている。仮想空間で設計された造形物が、現実世界の立体物として“出現”するプロセスは、デジタル教育とものづくり教育を横断する取り組みとして注目される。
教育版マインクラフトからリアル造形へ
児童たちは教育版マインクラフトを用いてプログラミングの基礎を学びながら、仮想空間上に独自のオブジェクトを構築。そのデータを3Dプリンターで出力し、バリ取りや色塗りといった手作業の工程を経て作品を完成させた。
単なるゲーム活用ではなく、「設計→出力→後加工」という製造プロセスを体験している点が本取り組みの特徴である。デジタル設計とフィジカル造形を往復する経験は、製造業の基礎概念を体感的に学ぶ機会とも言える。
巡回展示スケジュールいいづなコネクトEAST(展示終了)
期間:2026年1月31日(土)~2月15日(日)
場所:長野県上水内郡飯綱町大字赤塩2489
※同会場での展示はすでに終了している。
いいづなコネクトWEST
期間:2026年2月16日(月)~3月1日(日)
場所:長野県上水内郡飯綱町大字川上1535
飯綱町役場
期間:2026年3月2日(月)~3月19日(木)
場所:飯綱町役場1F 連絡通路
町を挙げたDX推進の一環
本事業は「長野県地域発元気づくり支援金」を活用して実施されている。デジタルリテラシーの向上と創造的思考力の育成を目的とし、町全体でDX推進を進める施策の一部として位置づけられている。
仮想世界での試行錯誤が、触れることのできる立体物へと変換される体験は、子どもたちにとって強い成功体験となる。将来的なエンジニアリング教育や地域産業との接続可能性も視野に入る取り組みである。
編集部コメント
教育版マインクラフトから3Dプリントへとつなぐ流れは、いわば“デジタル設計教育の入口”である。特に重要なのは、出力後のバリ取りや塗装といった後加工工程まで含めて体験している点だ。これは単なるデジタル教材ではなく、実践的なものづくり教育に踏み込んでいる証左である。
地方自治体主導でこうした取り組みが継続されれば、将来的な地域製造人材の裾野拡大にもつながる可能性がある。
用語解説
■ 教育版マインクラフト
通常版マインクラフトを教育用途向けに拡張したバージョン。プログラミング学習や共同制作機能を備え、学校教育でのICT活用教材として導入が進んでいる。■ プログラミング的思考
問題を分解し、順序立てて解決手順を組み立てる思考法。プログラム記述に限らず、設計や業務プロセス構築など幅広い分野で求められる基礎能力である。■ バリ取り
造形や加工後に残る不要な突起や余剰部分(バリ)を除去する工程。仕上がり品質や安全性を確保するために重要な後加工プロセスである。教育の関連記事
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