――続いては、『アンリベ』のお話をより詳しく聞いていきたいと思います。これまで、ゲーム関連のお仕事に携わったことはありますか?

 今回が初めてです。もともとアクション系をよくプレイするほど、ゲームは好きです。ゲームのお仕事で、しかも好きな作品に携われるということで、お話をいただいたときはとても嬉しかったです。

――アニメとゲームでは、描く際に違いはあるのでしょうか。

 アニメは動かすものなので、髪の毛の量など盛りすぎると、作画が崩れる原因になる可能性があります。後の方の作業を考えて、「ここは減らした方がいいかな」とバランスを見て引き算をする必要がありますが、イラストの場合は描き込みの制約がないので、アニメよりも髪の毛や影などを盛っています。

――そういう部分に注目してみるのも、楽しそうですね。最初に公開されたキービジュアルも、とても印象的でした。見どころ、こだわりを教えてください。

 構図やキャラクターの選定など大まかなイメージは発注時に指定をいただいたので、私は表情と雰囲気にこだわりました。「エモ(エモーショナル)さを表現してほしい」というオーダーがあったので、どうすれば出せるかなと……武道とドラケン(龍宮寺堅)の無邪気な感じと、それを優しく見守るマイキー(佐野万次郎)を、何度も修正しながらこだわって描きました。とても、楽しかったです。

 テーマは、「あの頃はよかった」です。『アンリベ』全体として「最初からもう1回やる」というテーマがあるので、このあとにいろいろなことが起こることなんて知らない、平和と失われた青春を表現できるようにキャラクターたちを描きました。

 「マイキーの表情はこうかな」とか、「夕日のキラキラっぽいのがあった方が思い出として美しく見えるかな」など、夕日の光を受けてキラキラしている線は時間を過度に要してしまうので、東京リベンジャーズ本編アニメではあまりしない表現ですが、イラストなので描きこみました。背景は、担当の方がステキなものを描いてくださいました。

――ご自身がデザインされたキャラクターや、衣装がゲームに登場します。ゲームをご覧になって、どう思われましたか?

 自分が考えたキャラが、自分の好きな作品の世界に登場するなんて思ったこともなかったので、今でも現実なのかなと思っています。『東京リベンジャーズ』の世界にいても、違和感のない人物になるように考えて描いてはいるのですが……。

――オリジナルキャラクターをデザインする時に、意識されたことを教えてください。

 服装などのイメージは事前にお聞きしていたので、そのなかでビジュアルを練っていきました。『東京リベンジャーズ』は目や眉などパーツの描き方に系統があるので、自分のなかで顔パーツ表を思い描いてからデザインに入りました。「この人物なら、柴大寿系の目かな」など、パーツを組み合わせて実際に描き、それを何度も描き直して、最終的なデザインにまとまりました。

 アクセサリーについても、『東京リベンジャーズ』らしさを意識しています。

――印象に残っているキャラクターや、衣装はありますか?

 新キャラに、筋肉質のムキムキタイプがいます。タンクトップという指定があったので、自分のようなユーザーから共感を得られるのではと思い、筋肉質な体格が映えるような衣装にしました。そのまま採用されて、ちょっと嬉しかったです。

 武道の衣装にロングシャツカーディガンがあるのですが、パリッとし過ぎない柔らかな素材感を意識して表現しました。それを着彩の方が上手に仕上げてくださって、完成したものを見てすごいと思いました。

 ほかに印象に残っているのは、マイキーのホストスタイル。細身が似合うと思ったので、黒のぴったりとしたタイトな半袖にしています。よりゴージャスに見えるように、スーツには花柄っぽいデザインを入れました。

――新しい衣装が見られるのは、ゲームならではの楽しみですね。

 はい。原作にないものが多いので、いかにキャラに似合うものにするか悩みました。自分で描く時もそうですし、監修して意見を伝える時も、ファッション誌などを参考にして作業したのは(服装が決まっている)アニメ制作ではない経験でした。

――そのほか、ゲームならではと思われた経験はありますか?

 画面の関係で、カードが横長に表示されるため、キャラの顔を大きく描くには制約がありました。例えば長身の半間修二は上からのアングルにして、画面を広く使うように両手を広げてもらうなど、工夫しています。

――和久井健先生監修の長編シナリオと、それに関わる新キャラも登場するとのこと。お話いただける範囲で、物語や登場人物の感想を教えてください。

 原作で見てきた世界と、まったく違うわけではありませんが、異なるもう1つの世界線が描かれています。『東京リベンジャーズ』を、新視点から見ていけるのは、ステキな体験だなと思っています。自分の描いたオリジナルキャラが、ファンの方にどう受け取ってもらえるのか少し不安なところもありますが……。

 個人的には「このキャラはこんな風になるんだ」、「武道はこんな風に皆と会うんだ」など、いろいろな発見があって面白かったです。活躍する皆を見ていただきたいですし、1ファンとしてとても楽しみです。

――『アンリベ』の主題歌『地獄恋文(インフェルノラブレター)』の歌唱を担当するtuki.さんのキービジュアルを担当されています。描く際に意識したポイントを教えてください。

 溝中の制服を着せるというオーダーはいただいていました。自分が『東京リベンジャーズ』の世界にいるtuki.さんを表現するとしたらと考え、自分のなかで一番しっくりくる形を描いていきました。

 tuki.さんの既存のイメージを見るとちょっとクールな女の子という印象を受けたので、柴柚葉や和久井先生の描くクール系な女の子を参考に描いています。

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