2026年3月2日,「クールジャパン・プラットフォームアワード2026」の表彰式が東京都内で開催された。

 本アワードのプロジェクト部門では,日本のコミックやゲームなどのコンテンツをローカライズし,中東・北アフリカ地域に展開しているマンガプロダクションズとマンガアラビアがグランプリを受賞した。

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 本稿では表彰式の様子と,マンガプロダクションズのCEOで,マンガアラビアの代表も務めるブカーリ イサム氏へのインタビューをお伝えする。

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OTHERSインタビュー

[インタビュー]サウジアラビアのマンガプロダクションズが「AnimeJapan 2025」に出展。CEOであるブカーリ イサム氏に,出展の理由や日本のコンテンツに対する思いを聞いた

 サウジアラビアとアラブ諸国を代表する,アニメ・マンガ・ゲームの制作/製作/配給会社「マンガプロダクションズ」が,2025年3月22日と23日に開催されていた「AnimeJapan 2025」に出展していた。中東・北アフリカ全域での「真・三國無双 ORIGINS」の販売も手掛けている同社のCEOに,出展の理由などを聞いた。

[2025/04/02 07:00]

 クールジャパン・プラットフォーム(CJPF)アワードは,内閣府の官民・異業種連携の強化を図る「クールジャパン官民連携プラットフォーム」の活動の一環として,日本の魅力を発信する優れた取り組みを表彰するものだ。

 日本の新しい価値や魅力を創出し,海外に展開する取り組みを扱う「プロジェクト部門」と,日本の魅力を海外に伝える映像を扱う「ムービー部門」があり,毎年「グランプリ」と「準グランプリ」「優秀賞」の受賞者が発表されている。
 CJPFアワード2026には,2部門合わせて計337組の応募があり,会場では審査会にて選出された14組が表彰された。

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会場には,CJPFの共同会長を務める内閣府特命担当大臣(クールジャパン戦略)の小野田紀美氏が登壇。受賞作品について,内閣府のみならず在外公館との連携により積極的に発信を行って,日本のファン拡大につなげていきたいと意気込みを述べていた

 プロジェクト部門でグランプリを受賞したマンガプロダクションズは,サウジアラビアに拠点を置くアニメ・マンガ・ゲームの制作/製作/配給会社だ。日本の制作会社と協力したコンテンツ制作や,中東をはじめとする各国市場への日本のコンテンツのローカライズとプロモーションを行っている。

 またマンガアラビアは,日本の出版社と正規契約を締結し,日本のマンガの翻訳を行い,現地で日本コンテンツの正規版の流通を手がけている。

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 受賞時のコメントでブカーリ氏は,マンガプロダクションズおよびマンガアラビアのミッションを,「日本のコンテンツを活用し,次世代に夢と感動,そしてインスピレーションを提供すること」であると表現した。

 また,サウジアラビアの文化省や教育省と連携し,350万人におよぶ現地の学生に対して,マンガ制作に関するオンライントレーニングを提供していることや,「マンガアラビア・キッズ」がサウジアラビアのすべての小中学校に配布されている唯一の雑誌であることを紹介していた。

 そして「日本のコンテンツは,サウジアラビアにおける石油のようなもの。素晴らしい体験を,世界に提供してほしい」とまとめていた。

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ブカーリ イサム氏(写真中央)

 なお,CJPFアワード2026のほかの受賞作品および受賞者のコメントなどは,同アワードの公式サイトに掲載されている。アニメや漫画,ゲームとは関係ないが,ムービー部門は映像なども視聴できるので,気になる人は要チェックだ。

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CJPFアワード2026 受賞結果
https://cjpf.jp/award/

 表彰式の終了後,ブカーリ氏に話を聞くことができたので,以下にその内容を掲載する。

4Gamer:
 CJPFアワード2026 プロジェクト部門のグランプリ受賞,おめでとうございます。

ブカーリ氏:
 ありがとうございます。非常に光栄なことで,嬉しく思います。
 今回の受賞は,マンガプロダクションズとマンガアラビアだけでなく,アラブ世界で日本のコンテンツを愛好している皆さんに対するものだと受け止めています。
 我々にとっては大きな励みになりますし,日本のコンテンツに憧れてコンテンツ制作やコンテンツビジネスに関わっているアラブ世界の人々が,これからもっと活躍できるきっかけになればと願っています。

4Gamer:
 AnimeJapan 2025の際にもお話を伺いましたけれども,あれから約1年,何か変化はありましたか。

ブカーリ氏:
 2025年12月に「真・三國無双 ORIGINS」のローカライズが,サウジアラビアと中東のベストローカリゼーションアワードを獲得しました。
 中東や北アフリカ地域では,日本のゲームが好きなのに,アラビア語版がないことで楽しめない人が多くいます。しかし今回,コーエーテクモゲームスの協力により,多くの人に素晴らしいゲーム体験を届けることができました。
 また昨年の夏には,セガの「ソニックレーシング クロスワールド」に対しても,パブリッシング契約を締結しました。これらを機に,より多くのパートナー企業とビジネスを展開していきたいと考えています。

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 セガは本日(2025年7月28日),開発中の新作レースゲーム「ソニックレーシング クロスワールド」(PS5 / Xbox Series X|S / Switch / PS4 / Xbox One)について,アラブ諸国を代表するアニメ・ゲーム・マンガの制作,配給会社であるマンガプロダクションズとパブリッシング契約を締結したと発表した。

[2025/07/28 18:33]

4Gamer:
 人気のある日本のIPに変化はありましたか。
 前のインタビューでは,「鬼滅の刃」や「進撃の巨人」「ハイキュー!!」など,日本でも人気の高いIPがアラビア語圏でも人気が高いというお話でしたけれども。

ブカーリ氏:
 その辺りや「SPY×FAMILY」は,変わらず人気がありますね。
 日本のコンテンツは軒並み人気が高い傾向がありまが,その背景には,私どものマンガアプリ「マンガアラビア」の存在もあると思います。
 昔は海賊版サイトが横行していたのですが,2021年の創刊以来,マンガアラビアを通じて日本のマンガに親しんでくださる皆さんの数が上回るようになったんです。
 
4Gamer:
 マンガアラビアが海賊版サイトよりもユーザーの支持を得たのは,公式としてのクオリティの高さが理由でしょうか。

ブカーリ氏:
 そのとおりです。単に画像の解像度が高いことだけでなく,セキュリティの面やローカライズのクオリティが支持されています。また海賊版サイトだと,話を最後まで読めるかどうか分からないという不安が付きまといますから。

 さらに私どもは,「海賊版サイトを利用することが,いかに危険なのか」という啓蒙活動も行っています。2024年には模倣品撲滅の取り組みへの協力により,日本の特許庁から感謝状をいただきました。

4Gamer:
 マンガプロダクションズは,近日開催されるAnimeJapan 2026にも出展されますね。

ブカーリ氏:
 今回は,非常に大きな発表をしますのでぜひご期待ください。また会場のブースも,日本の“カイゼン”を意識して,前回を超えるものにするべく取り組んでいます(笑)。

4Gamer:
 期待しています!
 本日は,ありがとうございました。

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