さいたま市は2月21日に、「SAITAMA Minecraft AWARD 2025」の最終審査会・表彰式を浦和コミュニティセンター 多目的ホールで開催しました。さいたま市在住または市内の学校に通う小中高生を対象に、「Minecraft(マインクラフト)」をつかって未来のさいたま市を創造する作品コンテストで、今回のテーマは「もっと暮らしやすく、もっとワクワクする2050年のさいたま」です。
さいたま市では、国土交通省の「Project PLATEAU(プラトー)」に参画し、実在する都市を再現する3D都市モデルの整備・活用・オープンデータ化を推進しています。その一環として、3D都市モデルを活用して作成した「さいたま市のマインクラフトワールドデータ」を公開するとともに、さいたま市の未来をマインクラフトでつくる作品コンテスト「SAITAMA Minecraft AWARD」を開催しています。
今回のアワード最終審査会では「まちづくり部門」における小学生の部 8組と、中学生・高校生の部 3組の合計11組がファイナリストとして登壇し、それぞれの作品を披露しました。
冒頭、主催者であるさいたま市都市計画課の松山幸司さんは、「さいたま市の未来を担っていただくこどもたちと一緒にまちの未来を考え、まちづくりに関心を持っていただくことで、将来的にまちづくりに参画していただく市民の方を増やしていきたい。そんな思いで開催しました」と、イベントの趣旨を説明しました。
審査の視点は、以下の5項目。大人でも難しそうな内容に、こどもたちは自らチャレンジし、作品を作り上げました。
●テーマ性:テーマをワールドの中で表現できているか。テーマについて何を考えて、どのようなコンセプトで作品を作ったか、説明の中でしっかりと伝えられているか。
●課題探求力:テーマを踏まえたまちの課題について、さいたま市に関する情報収集を行って適切に設定できているか。どのように考えてどのような課題を設定したか、説明の中でしっかりと伝えられているか。
●課題解決への貢献度:設定したまちの課題に対応した作品になっているか。課題に対する解決策をどのように考えて作ったか、説明の中でしっかりと伝えられているか。
●独創性・未来志向:自由な発想で、他の作品にはない自分だけの要素やポイントがあるか。さいたま市がもっとシンカしていく未来志向な作品になっているか。
●作品完成度:全体の統一感、詳細な部分までのこだわりなど作品全体としての完成度や総合的なクオリティが高いか。
審査員を務めた4名。左から、シビックテックさいたま 代表 桑原 静さん、
文部科学省 学校DX戦略アドバイザー、さいたま市立中学校 教頭 宮内 智さん、
一般社団法人美園タウンマネジメント 専務理事 岡本 祐輝さん、
さいたま市 都市局 都市計画部長 蓮見 純一さん
司会を務めたのは、埼玉県狭山市出身の大野 ひろみさん。現在は司会業をメインに、保育士資格を生かしたキッズイベントや地域イベント、行政事業、ファシリテーターなど多方面で活躍中
まずは、小学生の部のファイナリスト8組によるプレゼンの模様をお届けします。
小学生たちが思い描き、作り上げた未来のさいたま市とは!?
【作品タイトル】涼しくて、快適な街
【発表者】梅澤 健人さん(小学校6年生)
さいたま市は夏の気温が高く、2050年にはさらに2~3度上昇するといわれているそうです。そのさいたまの中心市街である大宮を、涼しく快適で、便利なまちにしようという発想から生まれた作品です。
大宮警察署から新さいたま市役所、さいたま新都心駅、大宮区役所、大宮駅東口をモノレールで結ぶことで、道路の渋滞を減らすとともに、路線バスの遅延や歩行者への危険も減らします。モノレールの路線沿いに設けた自由通路には、屋根を付けて直射日光を避けることで涼しく歩ける工夫をしたほか、さいたま新都心駅東側には緑の多い「SAI広場」を設置。広場には巨大な水槽を作って魚や亀を飼育しています。
審査員からの「なぜモノレールにしたのか」という質問に対しては、「地下鉄はトンネルを掘るのにお金がかかるし、路面電車は狭くてスペースがないのでモノレールにしました。未来は軽くて細く丈夫な柱ができると思います」と、しっかりと考えて作っていることに審査員は驚いていました。
(上段)モノレール(左)、モノレールの大宮区役所駅と大宮区役所(右)
(下段)SAI広場(下段左)、広場に作られた大きな水槽には魚や亀が泳ぐ(右)
梅澤 健人さん
【作品タイトル】みどりとワクワクがいっぱい! 新しいショッピングモール
【発表者】峯岸 澄人さん(小学校1年生)
現在浦和区にあるさいたま市役所が2031年度にさいたま新都心に移転した際に、その跡地にショッピングモールと公園を組み合わせた緑豊かな「こどもが楽しくあそべる空間」を作りました。
さいたま市は市民一人当たりの公園面積が5.0平方メートルで、全国の市区の中でも少ない部類に入っているそうです。さらに今後も人口増加が見込まれており、公園を作るスピードが追いつかないと分析されます。そこで、ショッピングモールの中に公園を作り、雪や雨の日でもこどもが安心して遊べる空間を作るとともに、建物の内外に緑をたくさん取り入れ、いつでも自然を感じ、楽しみながらリフレッシュできる空間を作りました。屋上のプールからはウォータースライダーで1階まで滑り降りたり、5階の畑で育てた野菜はモール内のカフェやレストランで食べられたりと、多くの工夫が施されています。
審査員からは「さいたま市が他の都市に比べて、公園や緑が少ないという課題に気づいたのが素晴らしい。こどもからお年寄りまで仲良く集える場所が実現すればよいですね」と、称賛のコメントが贈られました。
(上段)ショッピングモールの外観(左)、カフェと桜の公園(右)
(下段)5階の畑(左)、屋上にはトロッコ列車やウォータースライダー、ブランコなども(右)
峯岸 澄人さん
【作品タイトル】新都心のあらたな未来
【発表者】水上 結衣花さん/井口 青葉さん(小学校3年生)
現在は人口が増加しているさいたま市も2035年以降は減少に転じ、高齢化がより進むと見られているそうです。そこで、お年寄りも住みやすく働きやすい場所を作る必要があると考えて作られたのがこの作品。さいたま新都心駅近くに、こどもも大人も、お年寄りも楽しく暮らせる高齢者施設「しあわせホーム」を作りました。
ホームの隣にはお米やカカオ、野菜などを栽培する全天候型施設を作り、ホームに入居している元気なお年寄りが働けるようにしています。働いて健康になれば医療費が減り、長生きできて、さらに市の人口が減らないなどたくさんのメリットがあります。ホーム周辺道路の渋滞緩和のために空中デッキを作り、ホームに遊びに来た人たちの帰り道の安全のためにアレイ(そらとぶ小型ロボット)、アイアンゴーレム、訓練されたネコなども配置して、犯罪を未然に防ぎます。
審査員の「なぜお米とカカオを栽培しようと思ったのですか」の質問に、「お米が害虫に食べられて育たないというニュースを見て、屋内ならば害虫が入りにくいと思いました。カカオは輸入に頼らず安定的に国内で生産できれば、みんなが安くおいしいチョコレートが食べられるから」と答え、こどもらしくも、しっかりと考えていることがわかります。
(上段)「しあわせホーム」の外観(左)と内観(右)
(下段)近隣には農作物の栽培施設(右)や桜や木々が茂る公園(右)も設置
井口 青葉さん(左)と水上 結衣花さん(右)
【作品タイトル】みんなのミライシティ
【発表者】小川 柚葵さん(小学校4年生)
2050年になったとき「自分はさいたま市でどんな暮らしをしているだろうか」と想像し、いろいろな世代の人々が笑顔で一緒に暮らせるまちであってほしいとの考えから「みんなのミライシティ」を作りました。遊園地、水族館、市場、公園、お店、プール、温泉などが集まっています。
公園にはさまざまな遊具があり、お花見もできます。広場にはジェットコースターやヌゥの巨大オブジェなど、こどもたちが楽しく遊べる施設がたくさん。大人向けには、仕事帰りに立ち寄れるショップや疲れを癒せる温泉、家族と宿泊できるホテル付き水族館。お年寄りには、ゆったりと歩ける公園の遊歩道。また、足腰の弱い人でも各施設を回れるようにまちを一周するトロッコがあり、誰もが楽しめるやさしいまちになっています。
「2050年には私は結婚してこどもがいるかもしれない。お父さんお母さんはおじいちゃんおばあちゃんになっている。その時、みんなが笑顔で暮らせるまちがあったらいいなと思って作りました」という言葉に、審査員からは「未来を考えるとき、私って何歳になっているんだろう、お父さんお母さんは何歳になっているんだろうと、自分自身のことにつなげて、そこを出発点にしていることが非常に素晴らしい」と称賛しました。
(上段)「みんなのミライシティ」の全体像(左)、いろいろな遊具がある公園(右) (下段)ヌゥの巨大オブジェ(左)、水中トンネルの中も走るジェットコースター(右)
小川 柚葵さん
【作品タイトル】4人の個性で作った未来のさいたま新都心
【発表者】金澤 鳳さん/雪竹 哲平さん/齋藤 颯之介さん/千葉 朝翔さん(小学5年生)
仲良し4人組が考えたまちは、「こどもが主役」、「安心とワクワクが共存する街」、「遊ぶ・学ぶ・安全が一体の都市」の3つのテーマです。こどもたちから見ると、さいたま新都心は大人が買い物する場所はたくさんあるけれど、こどもが遊べる場所が少ないそうです。そこで、同級生へのアンケート結果を参考に、公園を作りました。
公園には、アスレチックやトランポリンなどワクワクする遊具を多数設置。また、18時になるとこどもたちが公園から出るまで鐘が鳴り続ける時計やAI警察官を置き、安全に遊べる配慮もされています。また、学校は住宅地の奥ではなく、まちの導線上に配置。学びとまちの賑わいを融合させて、学校を「勉強する場所」から「未来をつくる場所」にしようと考えました。さらに、病院と市役所を一体化した施設を設置。市役所裏には、災害時に避難所にもなるイベントスペースを作りました。医療と行政の公共空間を接続して、地域の交流や防災にも役立つ次世代施設としました。
「クラスメイトにどうやってアンケートをとったのですか」という審査員の質問に、「アンケートはグーグルフォームで作成し、Teamsに送って回答してもらいました」と返答。文部科学省が推進するGIGAスクール構想を通じて小学生たちがITツールを使いこなしプロジェクトを遂行していることに、審査員からも称賛の声が上がっていました。
(上段)公園にはいろんな遊具のほか、AI警察官や移動のための空飛ぶ車も
(下段)市役所裏にはドーム(左)を設置し、災害時の避難場所も兼ねたイベントスペースに(右)
左から千葉 朝翔さん、齋藤 颯之介さん、金澤 鳳さん、雪竹 哲平さん
【作品タイトル】交通が便利なさいたま
【発表者】小林 壮太郎さん(小学6年生)
浦和地域の交通の利便性を改善するため、新しい交通機関を作りました。その名も「浦和環状線」、通称「ウライン」です。通勤時間帯の東浦和から南浦和の混雑が激しく、「浦和-武蔵浦和間と浦和-東浦和間を乗り換えなしで行き来できたら便利」という家族の意見を参考に、「浦和-武蔵浦和-南浦和-東浦和」をつなぐ夢の環状線となっています。
新交通はリニアモーターを採用することで騒音を減らしました。鉄道橋は全体として木や葉をイメージしたデザインで、ウラインの浦和駅は水をイメージして青緑色のガラスで覆っています。また、新しい浦和駅は3層構造になっており、上の層がホーム、中間の層が改札階、下の層がフリースペース 兼 通路という構造になっています。フリースぺースではイベントを開催したり、災害時には避難所になったりもします。新しい交通機関と駅はまちのシンボルになり、観光名所にもなるので、さいたま市をより魅力的なまちにしてくれるでしょう。
「鉄道が好きなので、作品づくりがとても楽しかった」とのことで、審査員も「鉄道愛が溢れる作品でした」とコメント。また、「参考にした駅はあるのですか」との質問には、「ホームの作りは高輪ゲートウェイ駅を参考にしました」と回答。審査員は「最先端の駅をチェックしたのですね」と評価をしていました。
(上段)水をイメージしたガラス張りの浦和駅(左)、木や葉をイメージした鉄道橋(右)
(下段)3層構造の駅は、上の層がホーム(左)、中間の層が改札階(中央)、下の層がフリースペース 兼 通路(右)になっている
小林 壮太郎さん
【作品タイトル】ハッピーハーモニーシティ ~みんなが安心して、楽しく、ちがいをこえてくらせる町~
【発表者】:幸せホルモンでみんながヒーロー~思い出いっぱい宝箱~(さいたま市立大砂土東小学校4年1組)
総合学習の授業の時間に、クラス全員で「ともに生きる」をテーマに、未来のさいたま市を考えました。ユニバーサルデザイン、バリアフリー、SDGs、ピクトグラム、手話、点字&盲導犬、インクルーシブをキーワードに、みんなが安心して楽しめ、違いを乗り越えて暮らせるまちを目指して「ハッピーハーモニーシティ」を作りました。
まちの階段は手すり付きで段差を低くしてお年寄りでも昇り降りしやすいようにしたほか、「自動トロッコ」や泡エレベーターなどで誰もがシームレスに移動できる快適さを享受できます。また、移動のしやすさだけでなく、情報のわかりやすさや体験の楽しさも大切にしています。みんなが利用できる「天空図書館」やAI音声ガイド、誰もがケガなく安心してさまざまなスポーツ体験ができる「4Dメガネ」を使った「4Dスポーツ」など、最新テクノロジーを「優しさ」のために活用しています。年齢や障がいという「ちがい」を理由に何かをあきらめることなく、誰もが笑顔で暮らせるさいたま市を表現しました。
発表メンバーは「この活動を通じて、ともに生きる心を育めたと思います」と感想を述べました。審査員からは、「心のバリアフリー、情報のバリアフリーにも注目しているのが素晴らしいです。障害者やお年寄りなど、当事者ではない自分たちが表現するのは難しかったと思いますが、クラスみんなの想像力を合わせて素敵なものができたと思います」と評価する感想が述べられました。
(上段)さまざまな施設が建ち並ぶ「ハッピーハーモニーシティ」
(下段)AIロボ(左)、泡エレベーター(中央)、「4Dメガネ」を使った「4Dスポーツ」(右)
代表して発表した5名
【作品タイトル】スーパーアドベンチャーさいたまURAWAワールド
【発表者】峯尾 駿さん(小学1年生)
誰にとっても病院は大切な場所であり、まちの人を元気にする場所。そこで、まずは病院を“楽しい場所”にしたいとの思いから、「みんなが元気になれるまち」をテーマにまちづくりを行いました。まず、浦和駅前にジェットコースター付きの病院を作りました。病院に行くことが楽しみになるし、お見舞いに行く家族も遊べて楽しく、入院している人も「早く元気になりたい」と前向きな気持ちになれそうです。病院の周りには公園やアスレチック、プールなど、体を動かすことが楽しくなる健康施設を設置しています。さらに、ふれあい動物園や温泉、ツリーハウスなど、リフレッシュできる施設も作りました。
作品づくりの前に埼玉県の医療について調べたところ、人口10万人あたりの医師・看護師の数が、全国で見ても少ないことがわかったそうです。さいたま市も同じ傾向にあり、そこで、お医者さんと看護師さんが働く場所に選びたくなるまちづくりを目指したといいます。魅力的な病院を便利な場所に作る、元気な人が増える仕組みを作る、リフレッシュすることも大切にしたいという、3つの視点から、さいたま市を「医療が集まるまち」にしたいと考えたそうです。
審査員からは、「病院だけでなく、周りの公園を合わせて作るというのは非常に良いアイデアでした。病院は怖いところではなく、みんなが健康になって楽しく暮らすための大切な場所にしたいという考えは素晴らしいです」と、高い評価を受けました。
(上段)浦和駅前のジェットコースター付き病院
(下段)公園にはいろんなアスレチックやブールを設置(左・中央)、リフレッシュ施設にはさまざまな生き物とふれあえる動物園も(右)
峯尾 駿さん
都市緑化やこどもが学べる植物園、都市の構造化――大きな視点から課題に向き合った中学生・高校生部門
ここからは、中学生・高校生の部の3作品を紹介します。
【作品テーマ】心地よい風を感じるさいたま市
【発表者】園田 彩人さん(中学1年生)
園田さんは会場には来られなかったためビデオでの発表となりました。作品は、40度を超える夏の猛暑でも暮らしやすく、ワクワクする未来のさいたまをイメージしたものとなっています。
さいたま市の中でも浦和区は緑地が少なく、気温上昇を抑制するために緑が重要なことに気づいたそうです。そのため、木々を増やして日陰を作り、風通しをよくしています。また、風力発電や太陽光発電といった再生可能エネルギーの発電施設も設置し、クリーンエネルギーで動く未来都市をイメージしました。新しいものを作るだけでなく、既存の建物や場所も大切にしながら、環境にやさしいまちづくりを意識したそうです。2050年のさいたま市は緑が多く、心地よい風が吹き、誰もが安心して暮らせるまちになってほしい、そんな思いで作った作品です。
審査員からは、「作品づくりの根拠として、緑化率や気温上昇のデータを引用したのは、非常に論理的で説得力がありました」とコメントが寄せられました。
(上段)作品の全体像(左)、太陽光と風力の設備設備(右上)、壁面緑化も(右下)
(下段)広場にはカフェや図書館(左)、ストリートピアノも(中央)。屋上には菜園を設けている(右)
【作品タイトル】さいたま自然と伝統の町
【発表者】若月 大樹さん(中学校2年生)
さいたま市には幼児が教育目的で行ける熱帯植物園が身近になく、環境保全や自然との共生を学ぶ機会が少ないと感じたことから、浦和駅前に熱帯植物園を作りました。
全ての建物を木をベースに作ったことがこだわりポイントです。乾燥した木材は湿気を吸収し放出して室内の湿度を調整するため、園内の植物にとっても良い環境になるからです。天井は採光のためにガラスドームにしています。園内にはマングローブなどで熱帯の雰囲気を作り出し、滝を作り岩肌も露出させるなどして、本来の環境を再現。さらに生き物についても生息域を調べ、総合的に熱帯の生態系の再現を図りました。こうして、植物と同時に動物の生息環境も一緒に学べる熱帯植物園としました。また、浦和の伝統にもなっているウナギのつかみ取り場も作成。獲ったウナギを食べられるこども食堂も併設しています。
審査員から「さいたま市にはこどもたちが気軽に行けるような熱帯植物園が少ないことに、よく気づきましたね。どうやって知ったのですか」との質問に、「以前、東京の板橋区にある植物園の近くに住んでおり、その魅力を感じていました。そこで、さいたま市にも熱帯植物園はあるのだろかと思い、調べてみました」と回答。自分の体験や経験をもとにして課題を見つけたことを、審査員は評価していました。
(上段)熱帯植物園の内観(左)、滝や岩石なども配置して環境を再現、生き物も生息する(右)
(下段)うなぎのつかみ取りを体験できる場も(左)、人々の交流を目的にこども食堂も設置した(中央、左)
若月 大樹さん
【作品タイトル】構造化された未来の大宮
【発表者】土橋 璃士さん(高校1年生)
作品のテーマは「都市の構造化」。現在の大宮駅周辺は多様な商業施設や飲食店が密集して活気に満ち溢れる一方で、まちが雑然と見えてしまう印象があるという。道幅も狭く、人通りが多いところでは車道に人が出てしまうなど危険な場面も見られるという。
そこで、老朽化した建物を再建し、防災性と統一感を持ったまちづくりを行いました。新築・改築時には色彩やデザイン、高さなど統一的なルールを定めた景観ガイドラインを策定し、無秩序な開発を抑制。調和の取れた街並みを形成し、機能的で美しい駅前空間を作り上げました。そして、都市を支えるエネルギーには「音力発電」を採用。大宮駅周辺には絶えず人や車の往来があり、そこから出る振動と騒音を逆手に利用した新しい発電方式です。現実にはまだ実用化に困難がありますが、2050年には実現していることを期待して、採用したといいます。このエネルギーは、駅と各地域を結ぶ自動運転バスにも利用する計画です。このほか、ドローンをインフラ管理に活用し、老朽化の早期発見や人手不足、高所作業時の人的リスクの解消を図ります。
審査員からは、「建物そのものを作りたいというのではなく、大きな視点から課題に向き合ったのが素晴らしかったです。特にインフラの維持、老朽化問題に注目した点も良かったです」と高い評価を受けました。
(上段)整然とした駅前空間(左)、夜景も美しい(右)
(下段)駅前の立地を生かして音と振動で発電する装置を設置(左)、発電されたエネルギーを使った自動運転バスのバス停(中央)、インフラ管理にはドローンを活用(右)
土橋 璃士さん
グランプリに選ばれたのは「構造化された未来の大宮」と「交通が便利なさいたま」
全てのファイナリストが発表を終えたところで、審査員を代表してさいたま市の蓮見純一さんが全体を振り返って感想を述べました。
「小学生の皆さんの発表内容はすごくワクワクし、中高生の皆さんは論理的に考えられている作品でした。大宮駅周辺の再開発や都市の緑化などは、さいたま市でも都市計画の中で取り組んでいる重要な課題です。今日、皆さんが発表された内容をさらに作り込んでいけば、実際にさいたま市のまちづくりにも反映できるのではないかと思っています」
さいたま市 都市局 都市計画部長 蓮見 純一さん
ファイナリストの発表後、審査の間には、株式会社フォーラムエイトなどの協力のもと、今回のファイナリストのマイクラ作品が街並みに登場するドライブシミュレーターや、3D都市モデルを活用してフォートナイト上で開発されたさいたま市舞台のeスポーツゲーム、昨年度の本アワード受賞作品のAR可視化などの体験会を実施。こどもたちや保護者など参加者は体験を楽しみました。
ドライブシミュレーターの画面例。ファイナリストの作品が街並みに登場する
協賛各社からこどもたちに、さいたま市のデジタル地域通貨「たまポン」や、各種ノベルティが贈られた。
協賛企業:
株式会社フォーラムエイト
株式会社松竹マルチプレックスシアターズ(MOVIXさいたま)
株式会社埼玉りそな銀行
株式会社エフエムナックファイブ
株式会社パスコ
株式会社SAIL
株式会社MIERUNE
休憩を挟んだ後、いよいよ審査結果の発表と表彰式です。プレゼンテーターは、さいたま市の清水勇人市長が務めました。
まずは審査員特別賞の発表。選ばれたのは「スーパーアドベンチャーさいたまURAWAワールド」を制作した峯尾駿さんです。プレゼンターの清水市長から賞状と副賞のTシャツを授与され、「うれしいです」と笑顔で喜びを語っていました。
審査員特別賞を受賞した峯尾 駿さん(右)、さいたま市 清水 勇人市長(左)
続いて中学生・高校生の部の市長特別賞には、「さいたま自然と伝統の町」の若月大樹さんが選ばれました。副賞として、さいたま市のデジタル地域通貨「たまポン」1万ポイントが贈られました。若月さんは、「発表ではとても緊張して言葉も詰まったりしたのですが、結果を残せて良かったです」とコメントしました。
中学生・高校生の部で市長特別賞を受賞した若月 大樹さん(右)
小学生の部の市長特別賞は、「新都心のあらたな未来」を制作した水上結衣花さんと井口青葉さんが受賞。同じく副賞として「たまポン」1万ポイントが贈呈されました。「結果発表のときに「受賞できますように」と神様にお願いをしていました。本当に受賞できて、とてもうれしいです」と笑顔いっぱいです。
小学生の部で市長特別賞を受賞した水上 結衣花さん(中央)と井口 青葉さん(右)
そしていよいよグランプリの発表です。中学生・高校生の部のグランプリには、「構造化された未来の大宮」の土橋璃士さんが選ばれました。トロフィーと、副賞として「たまポン」2万ポイントが贈呈されました。土橋さんは、「最初から最後まで、すごく楽しく取り組めました。発表は緊張したけれど、自分がやれる精一杯のことができたので、とても楽しかったです」と喜びを噛み締めていました。
中学生・高校生の部 グランプリに輝いた土橋 璃士さん(右)
小学生の部のグランプリに輝いたのは、「交通が便利なさいたま」の小林壮太郎さんです。同じくトロフィーと「たまポン」2万ポイントが贈呈されました。小林さんは、「受賞できるとは夢にも思っていなかったので、本当にうれしいです。作っていたときには途中で諦めかけたこともあったのですが、最後まで頑張って作ってきて本当に良かったです」と、笑顔で感想を語りました。
小学生の部 グランプリに輝いた小林 壮太郎さん(右)
表彰式の後には、審査員による総評が行われました。
一般社団法人美園タウンマネジメントの岡本祐輝さんは、「皆さん非常に意欲的に課題に取り組んでいて、審査も非常に楽しかったです。今回の取組を通じて、こどもたちや市民の皆さまが温暖化や高齢化など社会課題に関心を持ち、今後そういう視点でまちを見ることができるようになれば、このイベントも非常に意義のあるものになると思っています」とコメントしました。
一般社団法人美園タウンマネジメント 専務理事 岡本 祐輝さん
文部科学省学校DX戦略アドバイザー(さいたま市立中学校教頭)の宮内智さんは、「イベントの参加を通じて、これからの社会を生きていくのに必要となる、情報を収集整理して自分の考えをまとめるという情報活用能力が伸びたのではないかと思います。今後の高校入学試験では、自分の言葉で説明する能力が求められてきます。そのためのインプットとアウトプットの力を、これからも培っていただきたいと考えています」と、参加者にエールを送りました。
文部科学省 学校DX戦略アドバイザー
さいたま市立中学校 教頭
宮内 智さん
シビックテックさいたま代表の桑原静さんは、「今後も家族や近所の人、地域の人たちなどと世代を越えて話し合い、お互いの共通点を見つけていってほしいと思います。そこから、地域の課題が浮き彫りになり、より暮らしやすいまちを作っていくことにつながると思います」と、こどもたちにエールを送るとともに未来に希望をつなげました。
シビックテックさいたま 代表 桑原 静さん
最後に、さいたま市の清水勇人市長がコメント。
「今回もたくさんの優れた作品と、その作品を作った皆さんに出会えたことを、本当にうれしく思っています。皆さんが作品づくりに取り組んできた中には、2つの「そうぞう」があったと思います。それは、思い描くという「想像」と、それらを具体的に形にしていく「創造」です。「こういうのがいいな」と漫然と思うだけでなく、細部まで自ら考え抜き、形にしていくこと。これはとても大変なことであり、これからますます重要になると思います。皆さんの未来には多くの変化が待ち受けているでしょう。その中で、皆さん自身が想像して未来を形にしていく、皆さんがクリエイティブの中心になる――そんな時代がやってくると思います。皆さんの創造力に期待もしながら、私たちも皆さんに希望を持ってもらえるさいたま市を創り、継承していきたいと思っています」と述べました。そして「来年もこのアワードを実施する予定ですので、今から企画を練って、ぜひまたチャレンジしてください」とこどもたちに語りかけ、「SAITAMA Minecraft AWARD 2025」を締めくくりました。
さいたま市 清水 勇人市長
■関連サイト
さいたま市マインクラフトワールドデータの公開サイト
SAITAMA Minecraft AWARD 2025
さいたま市マイクラまちづくり体験ワークショップ2025 レポート記事
さいたま市の3D都市モデルの取組











































