『ブルリフ』集大成『ブルーリフレクション カルテット』岸田メル氏インタビュー。「アニメ原作の『澪』をどうゲーム化する?」「新シナリオはあるの?」など気になる点を直撃

 コーエーテクモゲームス ガストブランドが手掛けるRPG『BLUE REFLECTION(ブルーリフレクション)』(以下、『ブルリフ』)シリーズ。

共通パーツ画像 これまで、『BLUE REFLECTION 幻に舞う少女の剣』、『BLUE REFLECTION TIE/帝』、『BLUE REFLECTION SUN/燦』の3作品がリリースされたほか、2021年にはテレビアニメ『BLUE REFLECTION RAY/ 澪』も放送され、さまざまな形で物語が紡がれた。

 そしてこの度、上記の4作品を、現行ハード向けに最適化し、一部新規要素を加えて収録した『

BLUE REFLECTION Quartet: 少女たちのキセキ』(以下、『カルテット』)が発表。2026年7月30日に、Nintendo Switch 2、Nintendo Switch、PS5、PC(Steam)向けに発売されることが明らかになった。
※Nintendo Switch 2版、Steam版はダウンロード専売。 本記事では、『ブルリフ』シリーズの総監修およびキャラクターデザインを務める、イラストレーターの岸田メル氏へのインタビューをお届け。『ブルリフ』シリーズに対する想い、そして『カルテット』の注目ポイントなどをうかがった。

 また、ゲームシステムに関する質問は、同席した開発スタッフにも答えてもらった。具体的にどんな要素が追加・調整されたのか、気になるアレコレを聞いてきたので、ぜひ『ブルリフ』ファンはご一読を。

※本稿では
『BLUE REFLECTION Quartet: 少女たちのキセキ』を『カルテット』
『BLUE REFLECTION 幻に舞う少女の剣』を『幻』
『BLUE REFLECTION RAY/澪』を『澪』
『BLUE REFLECTION TIE/帝』を『帝』
『BLUE REFLECTION SUN/燦』を『燦』
と記載している場合があります。『ブルーリフレクション カルテット 少女たちのキセキ』発表。『ブルリフ』4作品を1本に。アニメ、スマホゲーは本作用に再編集&再構築関連記事

『ブルーリフレクション カルテット 少女たちのキセキ』発表。『ブルリフ』4作品を1本に。アニメ、スマホゲーは本作用に再編集&再構築

『BLUE REFLECTION Quartet: 少女たちのキセキ』が発表。『BLUE REFLECTION(ブルーリフレクション)』シリーズ4作品を1本にまとめたもの。スマホアプリ、アニメ作品は本作用に再構成・再構築されている。

岸田メル(きしだ める)

『BLUE REFLECTION』シリーズには総監修およびキャラクターデザインで参加。また、『アトリエ』シリーズのうち、『ロロナのアトリエ ~アーランドの錬金術士~』を始めとする“アーランド”シリーズでキャラクターデザインを務める。
(文中は岸田)

シリーズの集大成『カルテット』制作の経緯――『カルテット』という形で『ブルリフ』シリーズ4作品をまとめて楽しめることになりましたが、本プロジェクトが立ち上がったきっかけについてお聞かせください。

岸田

 プロデューサーの細井(順三氏。コーエーテクモゲームス ガストブランド長)さんから急に電話がかかってきて、「作ります!」という感じでオファーがありました(笑)。正確なタイミングは覚えていませんが、確か2025年の初めごろに聞いたという認識です。ですので、コーエーテクモゲームスさんの中では、もう少し前から企画が立ち上がっていたのだと思います。――最初にお話を聞いたときの率直な印象や感想はいかがでしたか?

岸田

 『ブルリフ』の仕事は細々とした形で続いていたので、自分の中で「完全に終わった」という感じはなかったんですね。とはいえ、今後動きがないままふんわりと終わってしまう可能性もあるかも……と思ってもいたので、今回、しっかり作品を出すという話を聞いたときは、率直にすごくうれしかったです。

 じつは『ブルリフ』シリーズはもともと、家庭用ゲームの『幻』、アニメの『澪』、運営型ゲーム(スマートフォン/PC)の『燦』、家庭用ゲームの『帝』という順番で展開する予定でした。でも、当初想定していた順序ではリリースできず、『燦』が最後になりました。

 その結果、シリーズ全体を俯瞰して見られる機会があまりなくて。ですから、こうしてすべてまとめて、製品として残していただけることは、作り手としては区切りがつくという意味で、とてもうれしいです。

――岸田さんは、それぞれの作品にどのように関わっていたのか、改めて教えていただけますでしょうか。

岸田

 シリーズ全作品でキャラクターデザイン・総監修という形で関わっていますが、作品ごとに関わりかたの深さは異なります。『幻』はほぼすべてを見ており、『澪』と『帝』についてはシナリオの大まかな監修とキャラクターデザインを担当し、『燦』ではキャラクターデザインを担当したほか、かなりの量のイラストを描きました。

 『カルテット』では、僕がゼロから作ったものは正直多くはありません。パッケージイラストなどは描いています。それと、4作品をひとつのゲームの中で順序立てて構成するにあたり、原作者のひとりである僕の中にある『ブルリフ』と相違ないかどうかのチェックをさせていただくという、大まかな監修をさせていただきました。

 シナリオの整合性については、基本的に土屋(暁氏。『燦』や『帝』でシナリオに関わる)さんがしっかり見てくださっていますが、それを僕も再確認し、ゲームにどう落とし込まれているかを確認する監修作業をしています。

――かなり複雑な時系列と世界観で成り立っているシリーズなので、まとめるのが大変そうです。パッケージイラストについて、今回こだわった点は?

岸田

 『カルテット』のパッケージイラストは、『ブルリフ』で表現してきたことがわかりやすく伝わる絵になるように、こだわって描きました。キャラクターを屋上に立たせたのは、『ブルリフ』では印象的なシーンや戦闘が屋上でくり広げられることを踏まえています。

『ブルリフ』集大成、『BLUE REFLECTION Quartet: 少女たちのキセキ』岸田メル氏インタビュー。「アニメ原作の『澪』をどうゲーム化する?」「新シナリオはあるの?」など気になる点を直撃 また、空がバックにあるほうが、やはり『ブルリフ』らしいと考えて描きました。僕はもともと逆光の絵を描くのが好きで、『ブルリフ』でも何度も逆光の構図を使っています。ゲームの世界観やシナリオを考えると、キャラクターに真っ正面から光が当たるライティングよりも、逆のほうがそれらしいな、と思って。とはいえ真っ暗にならないよう、キャラクターがキレイに見えるようなバランスで、後ろの空から光が当たっているのをかなり強めに表現しているつもりです。――今回『カルテット』を制作するにあたって、岸田さんのほうから「こういう風にやりたい」とリクエストしたことはありますか?

岸田

 監修はしていますが、「これを追加してほしい」とか、「『澪』をゲームに落とし込むならこうしてくれ」といったリクエストはほぼ言っていません。ただ、本作の主題歌については、デモの段階から聴かせていただき、「こういう雰囲気のボーカルがいいですね」と、ボーカル選定にも関わらせてもらいました。

 シリーズの中でも、とくに『幻』は、音楽や主題歌にかなりこだわって作っていたので、その締めくくりにふさわしいような曲がいいなと思って、要望を言わせてもらいました。シリーズのイメージに合うような歌にしていただけてよかったと思っています。

――開発期間を含めると、10年にわたり関わってこられた『ブルリフ』シリーズですが、改めて、同シリーズについて思うこと、「すごく力を入れたよな」と感じる部分を教えてください。

岸田

 シリーズを立ち上げるときに、開発チーム内には「あまり見たことのないものを作ろう、既視感のないものを作ろう」という意識が強くありました。その結果、ご存知のようにちょっと独特な作品になったと思います。

 『幻』の後、アニメだったり、運営型ゲームだったりという形で展開し、“異物感”のような感覚は減ったとは思いますが、全体を俯瞰すると、やはりあまり見たことのない作品だったなという印象です。

 『幻』が発売された2017年から9年経っていますが、いま見ても、よくも悪くも『ブルリフ』っぽいものはほかにあまりないな、と感じています。そういった意味で、このシリーズはすごく独自性があったと思いますし、その個性を支持してくださるファンの方が非常に多いと実感しています。

岸田メル氏が語る、シリーズ4作品それぞれの魅力――『カルテット』には『幻』、『澪』、『燦』、『帝』の4タイトルが収録されていますが、それぞれの作品について、まだ触れたことがない人に向けて「こんなところがおもしろいよ!」という推しポイントを教えてください。

岸田

 『幻』は“フェチ”要素がとても強く、一発勝負でやっていました(笑)。あんなキレイな世界観で、高校生の女の子しか出てこなくて、彼女たちが変身して戦う、ということをやっている。ビジュアル表現は、僕の意向もあり、ちょっと落ち着いていて、生々しいもので、フェチ要素みたいなものも入っている。

 でも物語は青臭いというか、僕たちは熱血モノのような感じでストーリーを作っていたんです。全体的には清潔感や透明感があるような世界観にしていますが、中身はアツいものもあって、相反するものがまとめて入った結果、ちょっと独特なものが完成した感じですね。非常に偏った作品だと思うし、だからこそその偏りかたが肌に合う人にはすごく刺さると思います。

 雰囲気、音楽、ビジュアル、シナリオ、そのフェチ的な部分も含めて体験してもらって、ゲームの中に没入する感覚、言語化できないようなものを味わってもらえればいいなと思って作りました。シリーズの中でもいちばん雰囲気がある作品だと思います。

『ブルリフ』集大成、『BLUE REFLECTION Quartet: 少女たちのキセキ』岸田メル氏インタビュー。「アニメ原作の『澪』をどうゲーム化する?」「新シナリオはあるの?」など気になる点を直撃――1作目にして、『ブルリフ』はこういうゲームだ、と決定づける要素がしっかり込められていたので、いまでも印象に残っています。

岸田

 そうですね。逆に言えば、『幻』で最初にガチッとそういうものを作ったので、その後の3作はそれに則って作った感じです。イチから何か掘り起こしたり、新しいものをやったりしたかと言われると、そうではありません。――とはいえ、『澪』は、ゲームではないというところがそもそも『幻』と違いますし、テレビアニメで全24話と、かなりのボリュームでした。

岸田

 『澪』ではキャラクターデザインを担当したほか、シナリオの方向性について話をしました。「群像劇にしたい」とか。シナリオに関しては、こちらの意見をアニメの制作会社さんが受け止めてくれて、監督の個性も合わさって、アニメならではの表現を出してくれたと思います。『幻』が持っていたナイーブな部分、人の繊細さ、心と心の交流とか、そういう情緒的な部分をとくに拾っていただいて、それをアニメのシナリオとして構築してくれたという印象です。

 監督が女性(吉田りさこ氏)ということもあって、女性的な要素がいちばん強く出ているのが『澪』かなと思います。それがすごく『澪』のいいところだと思っています。

『ブルリフ』集大成、『BLUE REFLECTION Quartet: 少女たちのキセキ』岸田メル氏インタビュー。「アニメ原作の『澪』をどうゲーム化する?」「新シナリオはあるの?」など気になる点を直撃

『カルテット』では、ゲームプレイを通じて『澪』の物語を体験できるように。

――人間関係の掘り下げや心理描写がファンの心を掴んでいましたね。では『燦』はいかがですか?

岸田

 『燦』は、ほかの作品との比較でデザインを考えたところがあります。魔法少女のような衣装は、運営型のRPGではわりとおなじみなので、『燦』では魔法少女っぽい衣装ではなく、もっと派手で、ちょっと異常なテイストのデザインで戦うという形にしました。

 そして『燦』では主人公を男性にしたのですが、でもこれは当時、ユーザーさんから否定的なご意見もいただきました。僕たちの思っていた以上に『幻』の“女の子だけの空気感”を気に入ってくださっていた方が多いということを実感しました。アツいシナリオを用意していたので、そこを楽しんでもらいたかったのですが、伝えかたが難しかったと思っています。

 『燦』の世界観は、ほかの3作と違ってちょっと退廃的です。世界がもうボロボロになっている中でがんばっていく……そういうキャラクターたちが描かれています。ほかの3作とは描きかたは違いますが、女の子たちが逆境の中でがんばる姿というのは『ブルリフ』の要素のひとつだと思っていますので、ぜひそこを見てほしいですね。

『ブルリフ』集大成、『BLUE REFLECTION Quartet: 少女たちのキセキ』岸田メル氏インタビュー。「アニメ原作の『澪』をどうゲーム化する?」「新シナリオはあるの?」など気になる点を直撃――では、時系列で見ると最後に位置する『帝』はいかがでしょうか。

岸田

 『帝』では、みんながそれぞれの思い出やトラウマ、自分自身の闇に向き合っていく姿が描かれます。『幻』でもそれは描きましたが、『幻』は学校が舞台で、ほかの人間がたくさんいて、ふつうに社会があります。

 『帝』が違うのは、そこにもっと踏み込んだことです。『帝』の舞台は“異世界の箱庭”みたいで、他者は存在していない。完全に居心地のいい場所にずっといる、みたいな。そういう意味で、ナイーブな部分への没入感はいちばん強い作品だと思うんです。

 僕は、人には「実社会に立ち向かってほしいな」と思っている人間なので、『帝』のシナリオはどちらかというと僕の中では変化球なんですよ。もし、企画会議で『帝』のシナリオだけを提示されていたら、僕は「ダメです」と言ったかもしれません。でも、『帝』は『澪』、『燦』と同時に企画が始まっていましたので、ほかのタイトルと並んだときに、このシナリオがいちばんいい形だと考えました。

 箱庭の中でさまざまな女の子たちとじっくり交流するという、あの世界観が醸し出す空気感に惹かれる方は多いですね。それと、ゲームシステムを見てもおもしろいです。ガストさんの持っている技術とか、得意としているゲーム性が、キャラクターや物語にフィットしていますね。

『ブルリフ』集大成、『BLUE REFLECTION Quartet: 少女たちのキセキ』岸田メル氏インタビュー。「アニメ原作の『澪』をどうゲーム化する?」「新シナリオはあるの?」など気になる点を直撃『カルテット』での各タイトルの再構成と注目ポイント――ここからは『カルテット』がどんなゲームになるのか、おもにシステムについてお聞きしたいと思います。まず気になるのが『澪』です。アニメで展開した物語をゲームで楽しめるとのことですが、どのようなゲームプレイになるのでしょうか?ガスト開発スタッフ 基本的には、アニメの最終盤のストーリーを再構築してまとめています。『幻』と『澪』から『帝』へとつながっていくということで、強く意識したのはわかりやすさです。インタラクティブ性を加え、プレイヤーがストーリーを追うスタイルにすることで、キャラクターの関係性などがわかりやすくなるだろうと考えました。――ノベルゲームのような遊びかたになるのでしょうか。ガスト開発スタッフ 『澪』では戦闘がなく、ストーリーを追いかけていく形になります。アニメの場面写真をふんだんに使っていて、それと3Dモデルによるイベントシーンが混ざり合う形です。

 テレビアニメで最終盤に描かれた、水崎紫乃に向かっていくストーリーを中心に再構築していますが、その道中で、そこにいたるまでに展開されたいろいろなキャラクターたちとのエピソードを振り返ることができます。3Dモデルのパートでは、実際にプレイヤーが平原陽桜莉を操作して移動できます。

 羽成瑠夏に関しては、『カルテット』用に新たにキャラクターの3Dモデルを制作しました。瑠夏はバディである陽桜莉といっしょに探索していきます。

『ブルリフ』集大成、『BLUE REFLECTION Quartet: 少女たちのキセキ』岸田メル氏インタビュー。「アニメ原作の『澪』をどうゲーム化する?」「新シナリオはあるの?」など気になる点を直撃『ブルリフ』集大成、『BLUE REFLECTION Quartet: 少女たちのキセキ』岸田メル氏インタビュー。「アニメ原作の『澪』をどうゲーム化する?」「新シナリオはあるの?」など気になる点を直撃――そこにインタラクティブ性があるのですね。ガスト開発スタッフ 3Dモデルのパートで、特定のポイントに触れると、アニメの場面写真とともに過去を振り返ることができます。アニメの素材は、アニメ制作チームからすべてご提供いただいて、その中でも、『カルテット』で展開するのにいちばん適したカットを選びました。――つぎに『燦』ですが、こちらは『帝』のシステムをベースに、『燦』のバトルを再構築していると伺いました。アプリ版では、ステージを選択して物語を進めていくという遊びかたでしたが、『カルテット』ではどのように物語が進んでいくのでしょうか?ガスト開発スタッフ こちらも、オリジナルの『燦』のメインストーリーを整理して、『澪』と同じ手法で構築しています。ボリュームは『燦』のほうがかなり多くなりますね。その中で、戦闘に関しては、『帝』の戦闘システムをベースにして、『燦』であった特徴的な戦闘を再現しています。

 レベルを上げてキャラクターを強くするという、アプリ版にあったやり込み要素は、『カルテット』にはありません。シリーズのお話がどうつながっているのかを、キレイに整理してお届けすることを意識しています。

――メインストーリー以外の、キャラクターに関するエピソードも収録されているのですか?ガスト開発スタッフ キャラクターごとのシナリオについては、フィールドで該当キャラクターに話しかけるとエピソードが進んでいきます。これに関しては、もともとオリジナル版『燦』で、土屋が構想したものの実装できなかった物語がありまして、その構想をもとに作成しました。
『ブルリフ』集大成、『BLUE REFLECTION Quartet: 少女たちのキセキ』岸田メル氏インタビュー。「アニメ原作の『澪』をどうゲーム化する?」「新シナリオはあるの?」など気になる点を直撃――『カルテット』用に作られた新規シナリオが楽しめるんですね。ガスト開発スタッフ キャラクターシナリオはほぼ新規です。それと、音声についても新規収録したパートが多数あります。――最後に『帝』についてです。『澪』と『燦』から8名のキャラクターがバトルに参戦するとのことですが、それと合わせてシナリオも加筆されたりするのでしょうか?ガスト開発スタッフ どのようにして彼女たちがこの世界に来たのか、という設定を用意しています。ただ、『帝』のメインストーリーに関しては加筆はありません。『帝』は『帝』の世界でできあがっているので、影響を与えないほうがよいと考え、8人はバトルに新たに加わるだけという形をとっています。
『ブルリフ』集大成、『BLUE REFLECTION Quartet: 少女たちのキセキ』岸田メル氏インタビュー。「アニメ原作の『澪』をどうゲーム化する?」「新シナリオはあるの?」など気になる点を直撃――ちなみに、収録されている4タイトルはどれからでも自由に遊べるのでしょうか?ガスト開発スタッフ どの作品からでも遊べます。できれば『幻』、『澪』、『燦』、『帝』の順番にプレイしていただけると、理解もしやすいのでオススメですね。全部クリアーすると、ちょっとうれしいことがあるかもしれません。
『ブルリフ』集大成、『BLUE REFLECTION Quartet: 少女たちのキセキ』岸田メル氏インタビュー。「アニメ原作の『澪』をどうゲーム化する?」「新シナリオはあるの?」など気になる点を直撃さらに『ブルリフ』の世界を楽しむために――細かな調整の数々――シリーズ全体を俯瞰できるデータベース“REFERENCE”が収録されるということですが、こちらを実装する狙いと、注目ポイントを教えてください。ガスト開発スタッフ 先ほど岸田さんからもお話がありましたが、タイトルのリリース順番が予定とは違うものになってしまった経緯があり、キャラクターのつながりや、物語の時系列がわかりにくくなっている部分が多かったので、それらを整理してキレイに見えるようにしました。――もしかすると、『カルテット』の開発の中でいちばんたいへんな作業なのでは……。ガスト開発スタッフ そうですね。相関図を始め、“このとき、ここで何が起こった”みたいな事件の時系列をまとめるのはなかなかに骨が折れましたが、これによって、だいぶ物語が掴みやすくなるんじゃないかと思っています。

岸田

 土屋さんの頭の中で展開されている設定が言語化されるだけでもすごいことなので、コアなファンの方にはこの“REFERENCE”がいちばん刺さると思います。

『ブルリフ』集大成、『BLUE REFLECTION Quartet: 少女たちのキセキ』岸田メル氏インタビュー。「アニメ原作の『澪』をどうゲーム化する?」「新シナリオはあるの?」など気になる点を直撃『ブルリフ』集大成、『BLUE REFLECTION Quartet: 少女たちのキセキ』岸田メル氏インタビュー。「アニメ原作の『澪』をどうゲーム化する?」「新シナリオはあるの?」など気になる点を直撃――そのほか、現行ハードで展開するうえで、ゲームを遊びやすくする調整を行った部分はありますか?ガスト開発スタッフ バトルのスピード変更や、フィールドでの移動速度の調整、イベントシーンの早送りやスキップ機能などを追加しています。また、『幻』にはオートセーブがなかったので、本作では導入しました。――『幻』の発売当時、映像の色づかいが独特で気に入っていたのですが、ハードの性能が上がったことで、映像の印象も変わるのでしょうか。ガスト開発スタッフ 解像度が上がっていますので、そこは変わると思います。水のきらめきなどは、わかりやすいかもしれません。テクスチャーの解像度を上げたり、色のなじみをよくしたりもしているので、オリジナル版と比べるとキレイになっていると思います。
『ブルリフ』集大成、『BLUE REFLECTION Quartet: 少女たちのキセキ』岸田メル氏インタビュー。「アニメ原作の『澪』をどうゲーム化する?」「新シナリオはあるの?」など気になる点を直撃

 また、時代に合わせて若干調整を加えたシーンもあります。シーンをカットすることは絶対にしたくなかったので、いろいろと苦心して調整しました。たとえば仲間との交流シーンでは、セクシーな路線の選択肢を選ぶと、内容によっては日菜子の能力がアップする要素がありました。それを、近年の社会の風潮や基準を踏まえて報酬が入る仕様をなくしたり、ほかのシーンでも一部表現方法を調整したりしました。

『ブルリフ』集大成、『BLUE REFLECTION Quartet: 少女たちのキセキ』岸田メル氏インタビュー。「アニメ原作の『澪』をどうゲーム化する?」「新シナリオはあるの?」など気になる点を直撃

岸田

 時代に合わせて調整が必要なのはしかたがない部分ではありますが、単にカットするのではなく、スタッフの方々がすごく力を入れて調整してくれているんです。「オリジナルの要素を残すために、がんばっているぞ!」っていう気概をアピールするような調整になっています。――皆さんのすさまじい努力を感じました。ちなみに、過去のシリーズ作のセーブデータがある場合、何か特典を得られる要素はありますか?ガスト開発スタッフ 今回、セーブデータの連動や、オリジナル版のダウンロードコンテンツの収録はありません。
『ブルリフ』シリーズの経験は自身を大きく飛躍させる糧となった――『ブルリフ』のシリーズのお仕事は、『アトリエ』のキャラクターデザインとは方向性の違うお仕事だったかと思います。『ブルリフ』シリーズの制作を通じて、岸田さんが得た経験などはありますか?

岸田

 『アトリエ』はキャラクターデザインのみの参加でしたが、『ブルリフ』シリーズには本当になにも決まっていない段階から携わりました。イラストやグラフィックといった映像面に関わるだけでなく、『幻』では僕もシナリオを書いたことがありましたし、音楽は浅野(隼人氏。『ブルリフ』ゲーム作品の作曲を担当)さんと直接やり取りして。監修と言いながら、ほとんど監督みたいな立場でした。そういう仕事をたくさん経験したことで、『アトリエ』シリーズの仕事にもいい影響があったと思っています。

 僕はフリーランスでずっと仕事をしていますが、ガストの皆さんとチームワークで作品を仕上げた経験が得られたのは貴重でしたね。イラスト以外の仕事も多いですが、あの経験がいろいろなものに活かせているな、というのをいまでもすごく感じます。そして、“すべての生活を犠牲にしてまで、創作に身を捧げてはいけないんだ”ということも学びました(笑)。

――それはある意味、フリーランスにとっていちばん大事なことかもしれません(笑)。

岸田

 あとは、資料集めを行う場合、「インターネットでこと足りるよね」と思ったりしますよね。でも、実際に作業を進めてみると、「机の上で何かいろいろやるより、もう直接足を運んで素材を集めたほうが早いじゃん」と思うケースがけっこうありました。

 ですので「『ブルリフ』シリーズは足で作ったな」という印象がすごく強いです。長野(以前、ガストは長野に開発拠点を構えていた)に通ったことも含めて、経験がいまに活きているなと思います。

――2027年には『ブルリフ』シリーズは10周年を迎えますが、10周年に向けての展望はありますか?ガスト開発スタッフ 現時点ではっきりお伝えできるものはありませんが、皆さんに応援していただけるなら、喜んでいただける展開をしたいですね。

岸田

 ガストの皆さんも、シリーズを続けていきたいと思ってくださっているでしょうし、それも含めて期待したいですね。――最後に、『カルテット』の発売を楽しみにしているファンに向けて、ぜひメッセージをお願いします。

岸田

 このインタビューを読んでくださった方は、なんとなくイメージをつかめたかと思いますが、『カルテット』は『ブルリフ』シリーズの4作品を体系立てて収録した内容になっています。

 シリーズのどれかをプレイした、もしくはアニメを見たことある方であれば、絶対に楽しめる作品になっていると思います。「ここはどうなっていたんだ?」、「ここはどういうことだったんだろう?」とか、モヤモヤしていた部分が解決されるコンテンツも収録されているので、かなりスッキリとするはずです。

 また、「これだけシリーズ作品が出ていると、どれから遊べばいいのかわからない」という新規の方からの声もよく聞いていたので、そういう方たちには「本作さえ買っておけばもう全部わかるんです!」とお伝えしたいです。ファンの方、そして新規の方もぜひ手に取っていただけると幸いです。

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